さまよう影を引き受けるオフェリアさん。ヒトリウス、ヤムヨール、ムナシーゼと少しずつ仲間が増えて影の一座をつくり、世界中を旅します。ある吹雪の夜、彼らはひとりの影に出会います。その影を引き受けると闇に包まれます。ただ、つぎの瞬間にわかに視界が開けて、さまよっていた影はみな新しい姿にかわりました。そして、彼らはオフェリアと光の一座となりました。さて、最後にオフェリアさんが引き受けた影の名前を当ててみてください。 ミヒャエル・エンデ 文 / フリードリヒ・ヘッヘルマン 絵 / 矢川澄子訳

声に出して読んでみると、おもしろさがよくわかります。絵を見て読んでても伝わらなくて、声に出すと、音とストーリーが絶妙に絡み合ってグルーブ感がある。そういう絵本ってあります。絵本ですから、やっぱりこどもに向けて語りかけるためにつくられているんですよね。眺めていないで、こどもに実際に読んでみると、いつも新しい発見があるなぁ。 おのりえん さく / たるいしまこ え

僕が小さい時に繰り返し読んでもらった（らしい）一冊。ぼくはそんなに記憶がないのに、なぜか息子も大好きな本だと言っています。槇ひろしさんの絵本、好きなんですよ。どこか鋭い視線がありながらも、ユーモアがあって、どこか心に違和感を残す。だから、気になってなんども読んでしまうのかもしれません。 こどものとも1985年10月号 / 槇ひろし さく・え

<>いつも通って気になっている整備工場に、仕事を手伝いに行きます。準備万端で張り切って行ったので、整備工場のお兄さんと一緒に車を整備することになりました（そんな整備士さんがいたら最高！）。丁寧に自分の仕事を手伝ってもらいながらも、仕事の極意をわかりやすく伝えてくれます。だからワクワクするんですよね。この絵本は、息子に繰り返し読んだ本ベスト5に入るかもしれません。うとうとと目をつぶりながらでも読めてしまうほど、読みました。   こどものとも1987年2月号 / 角野栄子 さく / 垂石眞子 え

世界で最初にとうもろこしを見つけた人間って誰だったんでしょう。大発見だっただろうなぁ。実が食べられること、そして、種を蒔いたら育てられること、乾かして粉にして保存できること。どれくらい時間をかけて見つけていったのでしょうか。きっと最初の発見から、食べるため、生きるための試行錯誤の繰り返し。とうもろこしは世界の大切な主食のひとつです。キッチンには生きるための苦難と知恵が詰まってます。それにしても、足を掻いたら、とうもろこしの粒がボロボロ出てくる場面は強烈です。 秋野和子 再話 / 秋野亥左牟 画

こどもたちが見つけたちいさなとり。見つけた時には、もう死んでいました。冷たくなっていくとりのために、お墓をつくり、弔いの歌を歌います。 Oh bird you're dead / You'll never fly again / Way up high / With other birds in the sky / We sing to you / Because you're dead...

コッコさんがお昼寝から目を覚ますと、家に誰もいませんでした。どこを探しても誰もいないのです。そういう体験はありますか？小さな不安が少しずつ大きくなって、いてもたってもいられなくなるんですよね。そして家の外の虫たちや風の動き。時間の〈間〉をとても感じる絵本です。 片山健 さく・え

ライオンはサバンナで生活をしています。家族で力を合わせて狩りをしたり、危険から身を守ったりします。ひとりではとても生きるのが大変だからです。この絵本は、その家族から旅立つ弟ライオンの物語です。家族のもとを離れて、新しい家族を探す旅のはじまりです。食べるのも、戦うのも独り。そういう状態のことを「孤独」といいます。孤独というのは悪いことじゃありません。それは家族や仲間に出会うための大切な準備期間なんですね。 吉田遠志 絵と文