バンビは野生のノロジカです。生まれた時から、生き抜くためにたくさんのことを学びます。森での生活では1つの失敗が「死」に結びつくこともあるからです。せっかちはいけません。この物語で唯一せっかちじゃないのが、古老を呼ばれる大きな鹿。彼はひとりでいることの大切さをバンビに教えました。 フェーリクス・ザルテン 作 / 酒寄進一 訳 / ハンス・ベルトレ 画

戦争は人の命を奪います。大切なものを守るためと見せかけて、関係ない人たちが命を奪い合う。この本は、体はイギリスにありながら、心は湾岸戦争中のイラクの少年兵と結びついてしまった弟の話です。誰かの死を自分の心で感じるって、なかなかできないです。 ロバート・ウェストール 作 / 原田勝 訳

アニメ『瞳の中の少年 15少年漂流記』がわが家にあり、それをよく見てました。本を読んだのはそのあとです。ん？！読んだ気になってるだけか？本を開いてみます。うーん、二年間、どこかに漂流してみるのも悪くないかもしれないな。 ジュール・ヴェルヌ 作 / 私市保彦 訳

最も有名な海洋冒険物語です。僕の中では、ジョン・シルバーという人物の印象が強い。賢く、器用で、人間のこともよく知ってる。でも筋金入りの悪党なんですよね。それでいて、どこか魅力を感じてしまう自分がいます。 スティーヴンスン 作 / 海保眞夫 訳

なんと300年前のイギリスの小説なのです。無人島で単身で生活をするロビンソン。物語も魅力たっぷりですが、300年前デフォーが実際に見ていた風景、旅した世界ってどういう世界だったんでしょう。日本だと江戸時代なんですよ！ デフォー 作 / 海保眞夫 訳

アトリーの作品の魅力はたくさんありますが、彼女の「自然への感覚」にはいつも唸ってしまいます。ひと言しか書いていなくても、その全体の風景がぱっと脳裏に広がる感じ。たぶん体の中に森がある人なんだと思います。 アリソン・アトリー 作 / 石井桃子・中川李枝子 訳

僕は少年ドルフと一緒に、13世紀の少年十字軍の真ん中にタイムスリップをしました。歴史を知らないと、もしタイムスリップした時に相当困るなと、歴史を学ぶ意識がぐっと変わりました。教科書で学ぶよりずっとおもしろい。 テア・ベックマン 作 / 西村由美 訳

人形の家の中で起こること。夢中でぐんぐん読み進めるというよりは、「あ、ちょっともう読みたくないなぁ」と目を伏せてしまいたい場面もあります。正直さと邪険さ、善と悪、不条理だけど真実なものが、まっすぐこどもに向けて書かれています。 ルーマー・ゴッデン 作 / 瀬田貞二 訳