いつか森あそびずかんを……。 ぼくたちの国は、森がたっぷりある。なんと国土の2 / 3は森林です。でもさ、身近に自由に入れる森はあまりない。ぼくが小さい頃も、身近に林はあったけど、森はなかったなぁ。まだ遊べる空き地や野山はありました。君たちがたっぷり１日中過ごせる森があったらいいな。この本はとっても楽しい遊びが詰まっています。「昔はできたよねー」なんてい言ってないで、こういう場所をどうにかしてこどもたちに残したい。野山と森はこどものための庭です。 松岡達英 さく

それぞれの受けとめかた 野生動物たちは、家族の死をどう受けとめるのでしょう。この物語では、かつて生き別れた娘の骨を見つけて、その骨を森まで運びます。ぼくたちが知らないだけで、動物たちもお葬式をしているのかもしれません。 吉田遠志

大人でもよくわからない 君たちは、大人はなんでも知っていると思っているかもしれない。でもね、それは大間違いです。「死ぬことを理解するのは、むずかしいの……。それは、あなたが小さいせいじゃなくて、大きくても同じ」。大きくなってもわからないこともあるし、小さくてもわかることもあります。大人だからって、わかったようなフリをしているかもしれませんが、死ぬことに関しては、本当はほとんど何も知りません。だって、誰も死んだことないんですもの。わからないものを伝えることはむずかしい。でもね、君たちと一緒に「死」について、考えるのはとても大切なことなんだ。うまく説明はできなくても、一緒に考えることはできるでしょ。だから絵本を探してたの。君たちに必要なことはさ、絵本になってないとね。探しはじめたとき、見つからないかなと思ったんだけど、ようやく見つけました。探していると、不思議といいタイミングで出会うことができます。 ペニラ・スタールフェルト 作 / 川上麻衣子 訳

パリってどんなとこ？   パリって名前だけ聞いても、おしゃれで優雅な街な気がします。アンリくん、憧れのパリ に出かけることにしました。パリについたと思ったら、どこか様子がおかしいのです。グ ラフィックデザインをしてみたいって人は、 この絵本を手元においておこう。 ソール・バス 絵 / レオノール・クライン 文 / 松浦弥太郎 訳

朝から晩まであそぶ！    アスドリッド・リンドグレーンを知っていますか？ 彼女は言います。「誰かのためにというより、むしろ自分自身のために書いています。こどもだったころの自分を喜ばせようとして楽しんで書いている」んですって。彼女が過ごしたこども時代の幸せな遊びの体験が、いつになっても喜びや楽しみを与えてくれる。ともかく表紙の写真がたまりません。すべてのこどもたちのうえに、朝から晩まで遊びに明け暮れる日々が続きますように。 シャスティーン・ユンググレーン 著 / うらたあつこ訳

あなたのお父さんはどんな人ですか？   花男は野球ばかりしているこどもみたいなお父さんです。息子の茂雄は、お勉強が得意でニヒルな性格の小学3年生。実は、花男と茂雄は一緒に暮らしていません。でも、夏休みに一緒に暮らすことになりました。この本はぼくの父親ガイドブックです。花男、父親として最高だなと。花男は、自分の心で感じること、そのために努力すること、そして自分に素直であることをこどもに教えてもらったり、気づかされてばかり。本当は、大切なことをこどもに伝えてあげたいんですけどね。そういう風に妙に大人ぶっちゃったりしてるのがいけないんだろうな。大人ぶったり、父親ぶる。そういうことを抜きにこどもと向き合うことができるようになりたいものです。それにしても花男が、巨人軍にすぐに入団しなかった理由は、なんだったんでしょうね。そこには父親としての願いが込められていた気がしてなりません。 松本大洋

大きな石はトロルかもしれません   大きな石が生き物の形に見えることありますよね。アイスランドの昔話では、その巨石の正体は太陽にあたると石になってしまうトロルのお母さんだったんですって。トロルも恋をして、子育てをして、とても幸せな毎日をすごしていたみたい。いつか、石からもどらないのかしらん。 ヘルガドッティル 作 / ビルキングトン 絵 / やまのうちきよこ 訳

くせになる、どういうわけか、くせになる   一つの言葉から始まって、そこへ新たなことばがどんどん加わって、それを繰り返していく言葉遊びのわらべうたです。繰り返す部分が増えていくので、物語の展開も場面も想像できてしまうんですけど、繰り返すっていうことを繰り返すだけで、だんだん盛り上がっていくから不思議。そして、目をつぶっても読めるようになります。 フェリックス・ホフマン え / おかしのぶ やく