見つめる力 イメージはわかってるん だけど、描こうとすると描けない。よくそういうことがあります。にわとりを描こうと思ったら、ここどうなってたっけ？ とか、某コンビニのロゴとかもさ、絶対知ってるけど描くとどこか違うみたいなね。知ってるようで知らない部分がどんどんでてくる。 自分自身で描くことで、じっくり世界を見つめ、深くそのものを知ることができる。まずは、自分自身の力でしっかり見つめることです。 イエラ・マリ エンゾ・マリ さく

クリスマスの朝、食べ物も貯金も、すべてなくなってしまった。そして、大切なものを手放して手に入れたなけなしの現金も、心無い人にかすめ取られてしまう。生きるための望みをすべて失ってしまったおばあさん。彼女にできる残されたことは、必要なものが与えられるように 〈願う / 祈る〉ことだけ。どんなに努力をしても、自分の力だけではどうすることもできないことがあります。でも、願いと祈りは自分がやめないかぎり、誰にも奪われることはない。この絵本、文字がひとことも書かれていないけれど、ゆっくりと確かな言葉で語りかけてくれるんです。文字がないのに語りかけてくるって不思議ですよね。そういう力のある絵本に出会えるとうれしくなりま す。こういう絵本には、「生きることの喜び」が語られています。少し難しく言うと、〈生きることへの素朴な肯定と願い〉 が込められている。君たちの周りにある絵本や物語の中には、そういうものがありますか？ これはとても大切なことです。 ピーター・コリントン

雨の日のことがすべて描かれてるんじゃなかろうか……というほど名作です。ついつい、やる前に後始末のことを考えたりしてしまうのですが、たっぷり雨を遊ぶ。経験を積み重ねること、それが一番の近道です。 ピーター・スピアー

影って不思議です。光がないと見えないけど、真っ暗闇でもそこにいる気がします。なにも気にならなかったり、不意に怖く感じたり、ドキッとしたり、親しく感じたり、自分の気持ちを映し出してるみたい。影はほんのちょっとの想像力でいろんなものに変身しちゃいます。この絵本に出てくる女の子みたいにね。 SUZY LEE

お隣の国、韓国からぼくの好きなスージー・リーの新刊が届きました。文字がないので絵を読めばいいのです。絵は万国共通の言葉。白い紙の上に、鉛筆を走らせるだけで、そこにストーリーが浮かび上がってきます。そして音まで聞こえてくるんです。ぼくの頭の中でですけどね。彼女の絵本を読むと、すこしだけ自由になれる気がします。文字がないからかなぁ。でもそれだけじゃなくて、描かれた線に物語る何かを感じるんです。 スージー・リー

サンタはプレゼントを届けてくれる不思議なおじいさん。クリスマスの前日から、プレゼントを届ける準備を始めます。身支度を整えて、ごはんを食べて、ソリを出して、プレゼントを積んで、さあ出発。大変な仕事ですよね。終わる頃にはすっかりクタクタになっているんじゃないかなぁ。さて、サンタは一体どうやってクリスマスを迎えるんでしょうね。 レイモンド・ブリッグズ さく・え / すがはらひろくに やく

この絵本には文字はありません。ただ、じっくりと目を凝らしてみていると森の中からいろんな動物たちが現れてくる不思議な絵本です。動物たちの中には、虫たちや、もちろん、ぼくたち人間も。それに、魔法使いも隠れていたりします。 安野光雅

海は大きいですよね〜。地球上にある巨大な水の塊です。海の波って「あそぼうよー」って呼びかけているみたい。この絵本は、文字がない絵本ですが、波の音が聞こえてきますよ。「あそぼうよー」ってね。 スージー・リー