もし、ぼくが水だったら……雨になって、空高くからハラハラ落ちてくる。そして、ほかの雨とかとぶつかったりしながら、じわっと地面に染み込んで、土の中をどんどん流れて いくかもしれないし、すぐに太陽の光でジュッと水蒸気になって、空気中に漂うかもしれ ない。水は休むことなくいつも動き続けているなぁ。変幻自在で自由。そんな水に憧れた りします。はて、止まることなく動き続けているもので、似たようなものがあったような……あ、そうだ、時間だ。水も時間も地球を旅する先輩たちなのかもしれません。 大西健夫・龍澤彩 文 / 曽我市太郎 絵

あかちゃんは、笑ったり怒ったり泣いたり、表情がくるくる変わります。そのたびに出るのが、よだれ。小風さちさんのよだれを表す言葉選びが秀逸です。リズミカルで楽しい音に呼応するように、よだれを垂らしたあかちゃんが魅力たっぷりに描かれます。 小風さち 文 / 及川賢治 絵

かつやかおり さく

お父さんがどんなところで仕事をしているか知っていますか？ お父さんの仕事場は、外だったり、森だったり、オフィスだったり、商店街だったり、みんな違いますよね。ほげたさんは朝が苦手なお父さんで、寝ぼけたまま山にたどり着いて、そこを「やまのかいしゃ」といって、そこで働くことになりました。やまのかいしゃは儲からないけど空気のおいしい職場です。ぼくも働くなら山がいいけど、儲からなすぎると困っちゃう。それならいっそ、街を「えいやっ！」と庭にしてしまえばいいのだろうと考えて、街の庭ビルで働いています。でも、山での仕事も少しずつ増やしていきたいなぁ。 スズキコージ さく / かやまたけん え

松本大洋の絵につられて、 読み始めてしまいました。松本大洋ファンとしては、なんともたまらない絶妙な草山万兎さんとのコンビ。動物と向き合い続けてきた草山さんの生半可じゃない世界が広がっていました。 はっきり言ってむちゃくちゃな展開なんです。でも最後まで読み終わって、ようやく草山さんが見ている風景がはっきりと立ち上がってきました。現代社会から隠れて生活をしている古代文明への旅。謎に満ちたままですが、そこの楽園のようで合理的な社会。そして、そこに秘められている太古の秘密 。進化や動物の生態をよく知ってる著者が、常識を覆して表現する動物たちの世界には、強烈な想いが混濁しながら湧き出してきています。この物語を誰かと共有したいなぁ。同じ気持ちの人がいたらぜひ声をかけてください。 草山万兎 作 / 松本大洋 画

「まる」をテーマにした、谷川俊太郎の言葉と、グラフィックデザイナー・粟津潔の絵による絵本。 谷川俊太郎 ぶん / 粟津潔 え

福音館書店の月刊絵本「かがくのとも」が創刊50年になりました。50年間、毎月新しい絵本が届けられて、ついに 600冊です。作者と編集者が、こどもの好奇心を「かがく」という視点から探求し続けた軌跡が1冊に。こどもに関わる人にとっては、こどもの興味関心をぐっと広げるアイディア集です。 月刊科学絵本「かがくのとも」の50年

お味噌は大豆からつくられます。でも大豆だけではできません。そこに麹を加えます。この麹菌は日本の国菌。麹菌がいる場所じゃないとお味噌はつくれない。日本って麹菌が住み着いている場所なんだね。大豆があるからといってどこでもつくれるわけじゃないんだ。 ミノオカ・リョウスケ さく