岩波少年文庫が70周年を迎えました。このシリーズの礎をつくりだしていただいた石井桃子さま。あなたが、妥協なくこどもと児童文学に向き合い格闘してくださったからこそ、今僕はたくさんの物語に出会うことができます。僕は本好きですが、児童文学には本のすばらしさのすべてが詰まっているのではないかと思います。あなたが、選ぶ時の基準にしたのは、本を読んだ時に桃子さん自身が感じる「喜びの訪れ」だと70周年の特設サイトで知りました。本を読んで感じる「喜びの訪れ」。その基準、最高すぎです! あなたが20代で訳し始めた『クマのプーさん』で、コブタが「プー、きみ、朝おきたときね、まず第一にどんなこと考える?」と問いかける場面が思い浮かびました。そして、「幸せを感じること」、それが何よりこどもに必要なことなのかもしれないなと……。今収録作品は460冊を超えたんですって。まだまだ読む本がたっぷりあって、幸せだなと思います。
A.A.ミルン 作 / E.H.シェパード 画 / 石井桃子 訳
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