最近、 パウル・ビーヘルさんの名前をちらちら見かけて、気になり始めたときに、ふと思い出して棚からこの本をとったのです。本は、 出会うべき時を見計らって、棚から声をかけてくれますよね。 動物や虫たちが年老いた王さまのために、自分たちの知っているお話を持ち寄って物語が進んでいきます。小さな物語を持ち寄ると、大きな物語が立ち上がってくる。「この小さな物語がどう結びついていくのだろう か?」と胸を躍らせながら、ライオンやドラゴン、蜂や小人の話を読み進めていくと、やはり期待を裏切らないクライマックスが待っていました。 王さまの命を物語によって、励まして、明日への期待へとつないでいく。物語には、そういう力があるということをぼくはしみじみ感じました。
パウル・ビーヘル 作 / 野坂悦子 訳 / 村上勉 画
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