あなをほる。満足する。 君たちが「やりたいな」って思うことをやろうとすると、いつもだいたい邪魔がはいる。その邪魔者は誰だかわかるかい? それは「コロナ!」。いやいや、ぼくが言いたいのは「コロナ!」じゃなくて、「おとな!」です。どういうわけか、おとなは君たちのやりたいことを邪魔することが多い。かくゆうぼくも、いつもそれを反省しているおとなのひとりなのですが、この絵本に登場するおとなたちは、君たちのすることをすこしも邪魔しない。読んでいてそこがとても好きなところ。主人公のひろしは、ただただ、穴を掘りたいだけで、かっこいい穴とか深い穴を掘りたいわけじゃないの。やりたいことをとことんやってみて、満足するまでやり続ける。この「満足」っていうのはさ、とても大切で、気持ち(意欲)を育ててくれる栄養。いつもあーだこーだ言われるとやりたくもなくなるからね。 君は毎日満足してるかい? やってみたいことをやってみるといいよ。大きなことじゃなくてもいいの。ほんの小さな満足や達成感があるだけで、生き生きできたりするもんさ。この絵本って、君たちへの応援歌みたいに思うんだ。 谷川俊太郎 作 / 和田誠 画
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