庭しんぶん #108
¥110
NATURE 星がめぐる大いなる宇宙空を見上げよう!小さな塵が光る夜毎年夏になると、三大流星群のひとつ、ペルセウス流星群が姿を表す。今年は8月12日夜から14日夜明けにかけてたくさんの流星が見られるらしい。しかも「当たり年」で、13日が新月なので月明かりに邪魔されず、きれいに見られる可能性が高いんだって。12日、21時過ぎくらいから流星が表れはじめて、夜中から13日夜明けにかけて一番多く見られる予想で、多いときは1時間に30以上もの流星が見られるかもしれない。そもそも流星群ってなんだと思う? 流星、つまり流れ星の群れなんだけど、その正体は宇宙空間にある、ほんの数ミリメートルにもみたない小さな「チリ」なんだ。地球が一年をかけて太陽の周りを回っている通り道には、そのチリが多く集まっているところがあって、そこに地球が飛び込むと、チリは秒速60km(日本列島をわずか50秒で縦断できてしまうくらい速い!)で地球の大気圏に突入する。超高速で移動することによって、チリと空気が激しくぶつかって光輝き、地上から100kmあたりを光の筋となってかけ抜けていく。それが私たちが見ている流星群なんだ。一年に一度の特別な夜。星をゆっくり待ちながら夜更かしするのもいいかもしれないね。(Konomi Horiuchi) COLUMN ねぇ、勉強した方がいいの?学びたいけど学べない教科書の言葉が難しすぎる、学校に行くことができない、勉強を教えてくれる大人がいない。あとは、少し世界に目を広げると、学校がない場合もある。そんなふうに学ぶチャンスが圧倒的に少ないこどもたちがいる。「勉強したくない」のではなくて、「勉強したいけどできない」こどもたちは、思っている以上に多いだろう。僕も、勉強も学校も苦手だったなぁ。2024年度の小中学校の不登校は35万人を超えて、過去最多を更新中。たとえ、学校に行けなくても、何かを知りたいっていう気持ちは、誰にでもある。それに、授業とか教科書とかじゃない勉強の方法もある。だけど、学ぶ場所がなかったり、助けがなかったりして、学びたいけど、学べないってことがあるんだよね。 (Susumu Fujita) BOOK 戦争しない日本が戦争をしないことを決めて80年が経ち、81年目に入りました。日本の憲法は、戦争放棄を掲げた平和憲法です。 人間同士が殺し合う戦争をどうやったら防げるか。これは超難問です。だって、いつもどこかで戦争が起こっているんですもの。 君たちが生きている間に戦争が起こらないように、終戦100年を迎えることができるように、戦争とは何か、どうやって起こったのか、あのとき何があったのか。そこに、目を向けてみよう。(Susumu Fujita, Chigusa Kawakami) 「うつくしい!」 「ヒロシマ 消えたかぞく」 「ブラッカムの爆撃機」 「いわたくんちのおばあちゃん」 「約束 「無言館」への坂をのぼって」 「いま、日本は戦争をしている 太平洋戦争のときの子どもたち」 「へいわとせんそう」 「子どもたちへ、今こそ伝える戦争 子どもの本の作家たち19人の真実」 「世界中のこどもたちが」 「イマジン」 CHILDCARE 身の回りの世界をのぞき見る紙粘土でスタンプをつくろう身のまわりにあるものをよく見てみると、でこぼこ、しましま、つぶつぶなど、いろいろな模様が隠れています。紙粘土を押し当てて、その形を写し取り、オリジナルのスタンプをつくってみましょう。植物の葉っぱ、おろし金、しゃもじ、ザル、ひも、鍵、コード、うちわ……。いつも使っている道具も、スタンプにすると意外な模様に変わります。家の中やお散歩の途中で、気になる形を探してみましょう。紙粘土は、失敗しても丸めれば何度でもやり直せます。どんな模様ができるのか、押してみるまでわからないところも楽しみのひとつです。(Manami...
庭しんぶん #107
¥110
PEOPLE ピトシャン・ピトショを知っていますか?めんどくさがりだけど、機転のきくフランスの少年で、『ふくろにいれられたおとこのこ』(福音館書店)の主人公です。「あ、彼のこと知ってるよ!」って人もいるかもしれませんね。だって、一度出会ったらなかなか忘れられない魅力的な少年ですもの。でも、彼のことを知らない人もいるかもしれないので、ご紹介いたしましょう!ピトシャン・ピトショをめぐる冒険だます者、だまされる者まず、ピトシャン・ピトショ(Pitchin-Pitchot)という名前ですが、南フランスで話されていたオック語系の言葉で「小さい子」を意味する近い語があり、「ちっちゃな子」「ちびっこ」という響きがあるようです。その土地の面影を持った、まるでこどもたちの代表みたいな名前です。物語のはじまりはこうです。彼は少しのお金を拾います。それで何を買うか考えて、食べるのが楽ちんないちじくにしました。窓辺で食べていると、ひとつ、ぴょんと手から飛び出して、庭に落ちました。すると、それがたちまち大きな木になってたくさん実をつけました。そこへ鬼がやってくるのです。こどもを食べる鬼です。人間をやっていると、誰かに食べられるという恐怖を感じることはないでしょう。もちろん、ピトシャン・ピトショは捕まらないようにするのですが、鬼は枝に命令して、彼を袋に入れてしまうのです。「そんな方法ずるい!」って思うのですが、こういうずるいことを大人はこどもによくやっている気もします。家から連れ去られてひとりぼっち。でも、ピトシャン・ピトショは、鬼から逃れるだけではなく、しっかりと仕返しをする賢い少年なのです。(Susumu Fujita)▶︎「フランス民話 ふくろに入れられた おとこのこ」山口智子 再話 / 堀内誠一 画福音館書店 / ¥990 CHILDCARE 思い出をきれいに編み直す 子育てのヒント道ばた植物で、シールをつくろうシールが流行っているみたいですが、こんなシールはどうですか? 散歩中に見つけた草花を、透明テープではさんで「植物シール」にしてみましょう。テープで密封されるので色が変わりにくく、1カ月ほど経つと、中の植物は少しずつ乾燥していきます。おさんぽの途中で、足元をじっと見てみましょう。春には柔らかかった葉っぱが、夏にはぐんぐん背を伸ばしていたり、同じ場所に違う花が咲いていたり。季節ごとに姿を変える雑草を集めて、シール帳に貼っていくと、小さな植物図鑑のようになります。(Manami Ishida)7月に見つけやすい草花 カタバミ ノラニンジン シロツメクサ・アカツメクサ ヒメジョオン アザミ(トゲに注意!) クサフジ カラシナ HEALTH 自分だけの声 音を聞く耳 体の不思議声が変わること大人になると、どういうわけか声が変わります。「声変わり」です。その理由を解明してみよう。声は、首の前側にある喉頭という器官で生まれる。喉頭は「のどぼとけ」のあたりにあって、そこに声帯がある。声帯は左右一対のひだのような組織で、息が通ると細かくふるえる。このふるえが、声のもとになるんだ。声は、声帯の長さや厚さ、張り具合によって変わる。短く薄い声帯は高い音、長く厚い声帯は低い音が出るというふうにね。(Susumu Fujita) ...
庭しんぶん #106
¥110
COLUMNS 土を耕し、命をもらう。その営みに、命を吹き込む。小さな庭でこどもと庭仕事4月末にだいぶ暖かくなったので、スコップでザクザクと土を起こして、はびこっているハーブやスギナの根っこを丁寧に取り除きながら、庭を耕しました。ほんの猫の額ほどなのであっという間ですが、末娘とふたりで小一時間土いじり。何がどれくらい取れるかというよりも、娘と一緒に育ててみるための畑なので、この小ささでちょうどよいのでしょう。欲をいうと1反歩、いや5畝でも……なんて思うのですが、今の身の丈がこれくらいという思し召し。毎朝の散歩の途中で、娘と芽が出ているか、育っているかを確かめています。ミニトマト、スナップエンドウ、ニンジン、二十日大根、ハーブ類、それにズッキーニ。あとほんの少しの隙間は、ルッコラなどの葉物です。この庭しんぶんが発行されている頃には、朝食のサラダを畑からつんでこれることでしょう。さてさて、庭をパクパクつまみ食いしながら、愉快に楽しく心地よく、こどもと一緒に好奇心を磨こうと思います。(Susumu Fujita) PEOPLE 林明子 - Akiko Hayashi本物よりも、本物らしく、物語を描き出す絵本作家君の周りにはどんな絵本がありますか?何度も読みたくなる物語、ふとした時に思い出す場面や言葉、手に取ると、それだけでわくわくするような一冊がありますか?僕は、心が動く物語があること、しかも、それを身近な人が、語りかけるように読んでくれることが、とても大切だと思っています。人と人とが語り合うのは、楽しいし、うれしいことだからね。絵本はこどもたちに語りかける物語。そこには、そりゃたくさんのつくり手がいるけれど、今回は林明子さんを、彼女が手がけた3冊の絵本を通して紹介します。 「こんとあき」ほころびを縫い合わせる旅 「おつきさまこんばんは」あかちゃんが聞きたい物語を見つける 「あさえとちいさいいもうと」こどもの持つ責任感と優しさを描く CHILDCARE こどもの心に おとなが心を向けること見えない成長を目撃する「自分でやる!」が口ぐせの3歳の息子。靴を履くのもヘルメットをかぶるのも何でも挑戦したがりますが、うまくいかないとすぐに「できない〜! やってよ〜!!」と涙。頼もしいのか、まだまだなのか判断に迷います。そんな息子が、先日初めてランバイクの大会に出ました。ペダルのない自転車で、足で地面をけって進みます。最初は転ぶたびに泣いていたので、かなり心配しながら見守っていました。レースが始まり、最初のカーブで転倒。あぁ、やっぱり泣いてしまうかな……と思った次の瞬間、自分でさっと立ち上がり、最後まで走り切ってゴール。さらにそのあとのレースでは、ぶつかりそうになると少しスピードを緩めて先に道を譲ってあげたり、転んだ子を気にして振り返る姿も。思いがけない姿に、「私の息子ってこんなに強くて優しいの?!」と驚かされました。家ではまだあまえんぼうで「3歳まで赤ちゃんだから! バブバブー!」と言っている息子ですが、見えないところで少しずつ成長しているようです。(Ayako Yamamoto) SOCIETY 人と人が結びわせる仕事人と人が結び合う生活ぽい人たち、ぽくない人たち先日、北九州でホームレス支援を行っている団体、抱樸(ほうぼく)を訪ねました。炊き出しのボランティアに参加し、食事や生活に必要なものを配ったり、来た人たちと少しお話をしたりしました。私はこれまで、ホームレスの人には「それっぽい見た目」があるような気がしていました。でも実際に炊き出しに来ていた人たちは、きれいな服を着ている人も多く、見た目だけではまったくわかりません。静かに並び、普通に会話をしていて、ボランティアをしている私たちと、ほとんど変わらないように見えました。私と何が違うんだろう。仕事があるか、家があるか、頼れる人がいるか。もちろんそういう違いはあります。でも、その境目は、自分が思っていたよりずっとあいまいなものに感じました。(Manami Ishida) INFORMATION 庭ギャラリーNAOT caravan 6.19 Fri・20 Sat今年も庭ビルに、イスラエル生まれの革靴ブランドNAOT(ナオト)がやってきます。スタッフが一人ひとり丁寧にフィッティングし、足にぴったりの一足をご提案します。革靴は疲れやすいという方にもぜひ試してほしい履き心地です。すでにお持ちのNAOTの靴の修理やお手入れのご相談もお受けします。この機会に、長く育てたくなる一足を見つけてみませんか。※19日は18時、20日は17時まで D&DEPARTMENT...
庭しんぶん #105
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COLUMNS 世界で一番強い世界はどこだ!?4年ごとに開かれる祭典 FIFAワールドカップ4年に一度しか開催されないワールドカップが、6月11日からはじまりますよ! 世界中の国が集まって、「いちばん強いチームはどこだ!」って競い合う、とっても大きなサッカーのイベントです。1904年にパリでFIFA(国際サッカー連盟)が設立されてから続いてきた大会で、国と国がサッカーを通して、本気で競い合う世界的なお祭りです。サッカーは、今からおよそ150年前に、イギリスで生まれたスポーツ。足で球を蹴る遊びは世界各国にあるけれど、その中でもサッカーは、世界中で親しまれている代表的な遊びといってもいいでしょう。(Susumu Fujita) BOOK お母さんこどもには、誰にだってお母さんがいるそして、お母さんの数だけ、物語があるお母さんが持つこどもへのまなざしこどもが持つお母さんへのまなざしそこから生まれるたくさんの物語たち絵本には、たいていお母さんがいる 「かいじゅうたちのいるところ」 「5ふんだけちょうだい」 「だーれもいない だーれもいない」 「おかあさん観察図鑑」 「めっきらもっきら どおん どん」 「ママ、きょうから ようちえんだよ!」 「まゆとごちそう 春夏秋冬」 「おんぶは こりごり」 「なんなんなん?」 「りんごがひとつ」 「ここは」 「手ぶくろを買いに」 CHILDCARE 手の発達 6つのステップやあ、こどもたち諸君。まずは自分の手を、ぱっと開いて見てごらん。 その手、思い通りに動くよね。つかんだり、つまんだり、書いたり。でもね、最初からそんなふうに動いていたわけじゃないんだ。使えば使うほど、自分の思う通りに動かせるようになっていく。大工さんの手は四角くてごつい。それは仕事をしながらそういう手に育ってきたからなんだ。君はどんな手をしてるかな?(Susumu Fujita)...
庭しんぶん #104
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BOOK ▷ うそ4月1日は「エイプリルフール」。調べてみると、いつから始まったのかは、よくわからないらしい。なんだかそのほうが、かえって「ほんとうらしい」。嘘か真実か。それを見分けるのは、なかなか難しい。嘘つきは、いつだってそこら中にいるし、もしかしたら人は、「ほんとうのこと」よりも「うそ」のほうが好きなのかもしれない。誰だって、自分の都合のいい話のほうがいい。それが、人の本音というものだろう。でも、嘘って、どこかチクッとするんだよなあ。 「おおかみと七ひきのこやぎグリム童話」 「おしゃべりなたまごやき」 「長くつ下のピッピ」 「かちかちやま」 「どっち?」 「ないたあかおに」 COLUMNS 花粉が飛ぶ植物の記憶が入ったカプセルやあ、こどもたち諸君。ごきげんよう。毎年春になると、ふわふわと空気中を漂っている目に見えない小さな粒といえば何かな? ほら、目がかゆくなったり、くしゃみが出たりするのと関係があるやつ。いやいや、鼻の粉じゃなくて花の粉。そう、答えは「花粉」。花粉の大きさは、およそ20〜40マイクロメートルで、丸くて、トゲトゲしたり、つるつるしたり、いろんな形がある。そもそも花粉っていうのは、植物が子孫を残すための情報が入ったカプセルで、その小さな粒の中に遺伝情報が詰め込まれているんだ。(Susumu Fujita) CHILDCARE とうとう春がやってくるゆかいな三人ぐみ day 1686 晴々としたこども街場は雪がすっかり解けたけど、わが家の周りにはまだ雪が残っています。でも、雪の下からフキノトウが出てきたり、雪解けの水がちょろちょろ流れたりしているので、朝の散歩をぼちぼち再開し始めました。「散歩行こうよ」と誘うと、ついてきてくれるのは娘たちです。春の陽気が増していくのが楽しみ。長男は小学校を卒業して中学生になります。卒業式に参加して、僕の知らない学校での息子をちらっと垣間見て、どこか彼を見る目が変わりました。もうすっかり一人前って感じ。息子や娘たちの晴々とした生き方に、しっかりしないといけないなぁと、勇気をもらったりしています。(Susumu Fujita) DIY 手を動かして、君のほしいものをつくることこわれたら、なおせる世界モジュールという言葉を聞いたことがありますか? 残念ながら日本語にはぴったりの訳がありません。「構成単位」とか「小さな部品」と訳されますが、どちらも部分的にしか説明できていません。少し長くなることを覚悟で説明するなら、モジュールとは「組み合わせたり、取り替えたりできる、小さなまとまり」のこと。いくつかのモジュールが集まることで、例えば宇宙ステーションのような、より大きなものをつくることができます。LEGOのブロックを思い浮かべてみてください。一つひとつは小さな部品だけど、組み合わせれば家にも乗り物にもなります。そして、壊しても、また組み直すことができるのです。(Shin Sasaki) INFORMATION Kinomado映画とごはんの世界旅行 4.18 Sat庭ギャラリーに時々登場する移動映画館キノマド。映画はもちろん、映画の舞台となるその国のごはんが一緒に楽しめるのが特徴です。今月4月18日は、ベトナム映画『ソン・ランの響き』の上映と、ベトナムのソウルフード・バインミーがお弁当としてセットになっています。バインミーはお肉やハーブがサンドされたベトナムの定番サンドイッチ。詳しくはキノマドのウェブサイトをチェックしてね。▷ キノマド『映画とごはんの世界旅行...
庭しんぶん #103
¥110
COLUMNS よい未来を選ぶ方法多数決を疑ってみよう未来のためには必要なことなのに、なぜか選ばれないことがあります。その理由は、問題は「答え」ではなく、「決め方」にあるのかも……。例えば、世界全体でお肉の生産量を数%だけ減らしてみましょう。「月曜日はお肉を食べない」というような小さな変化です。ほんの少し意識を変えるだけで、家畜用の飼料を人が食べられる穀物にしたり、二酸化炭素や温室効果ガスを減らしたりすることができます。地球環境にとっても、人間にとっても、よいことが多いように見えます。けれど、それが社会全体で選ばれることはありません。電力やプラスチックの問題も、同じ構図です。なぜでしょうか。それは、個人で決められても、社会全体で決めようとすると、合意が難しくなるからです。多数決は、「今」「目の前」で困る人の声を強く反映します。一方、環境がよくなる変化は、少し未来の話です。社会全体では得になる選択でも、「今の自分にとって少し不便」だと票が集まりません。多数決は、「今の多数」についての判断は得意ですが、「時間を超えた社会」についての判断は、あまり得意ではないようです。(Susumu Fujita) FOOD たべる、くらす、生きるを研究する“庭びと”たべるとくらしの研究所がレシピ本刊行改めてまして…、たべるとくらしの研究所は、震災を経験して立ち上げた研究所です。食べること暮らすことを見直す。大袈裟に聞こえるかもしれませんが、生き方そのものを見直したい、世界平和につながるように、シェアする場として研究所と位置付けました。常に模索し続けた札幌のお店、7年続けたのち蘭越に移住。蘭越で始めた定期便にお便りを書き、私たちの日々を綴っていました。この料理帖は、そのお便りを中心に、食べるについて大切にしていること、暮らすについて大切にしていること、レシピやコラムにまとめました。我が子に残すような簡単なレシピから、残し続けたい日本の食文化の魅力など感じていただけるような、幅広い内容になってます。料理は完結も正解もなく、どこかで繋がっていて、その時々での気持ち良い美味しさがあって、あそことここが繋がってる!とこっそりレシピに仕掛けました。小さな発見の連続を暮らしに活用していただけるといいなぁ〜という願いも込めてます。(Shinya Anzai)▷ 「たべるとくらしの研究所」通販サイト ぽりぽり浸し豆革命昨年の夏、たべるとくらしの研究所のレシピ本づくりを手伝うことになりました。私にとって料理は、ToDoリストの一番下で、永遠にチェックが入らない項目。朝はコンビニのおにぎり、昼もコンビニのおにぎりと惣菜、夜はファミレスで深夜まで仕事、というのがいつもの食事です。デザイナーとして一人前になるまでは!と、生活は全部あとに回していました。 レシピ本づくりの合宿は、たべけんの家の茶の間で行われました。台所では延々と料理がつくられ、レシピが加筆修正されていきます。私は茶の間にモニターを持ち込み、台所の横でレイアウトを続けます。レシピ本をつくっているのに、ごはんを食べる暇がありません。そんな夜、作業のかたわらに「浸し豆」が出てきました。ぽりぽり、しょっぱくて、出汁が効いています。うーん、おいしい。手が止まらない。つくり方を聞いたら、あまりに簡単で、驚いた……。(Manami Ishida) BOOK 食べると脳みそ食べると気持ち微生物がつなぐ、心と身体 近年、急速に解明され始めている腸内環境や脳腸相関といわれる、微生物と身体の関係性。体調や性格、運動神経や美白にまで及ぶ、摩訶不思議な世界です。その世界の入り口に、編集長の本棚からいくつかご紹介します。 「日本の伝統 発酵の科学 微生物が生み出す「旨さ」の秘密」中島春紫 著 「麹本 KOJI for LIFE」なかじ 著 「発酵の技法 世界の発酵食品と発酵文化の探求」Sandor Ellix Katz 著...
庭しんぶん #102
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COLUMNS 時代と共に何かを得て、何かを失う グッバイ、ペニー!1セント硬貨が製造中止 200年以上もの長い間使われていたものが、そっと終わりを迎えるニュースがありました。アメリカで、1セント硬貨の「ペニー」が、もうつくられなくなったのです。日本でいう1円玉みたいなものです。もうひとつは、郵便ポスト。これはデンマークからのニュースで、手紙を配達する郵便局が、その仕事をやめることになりました。つまり、手紙を出しても届けてくれる人がいなくなる、ということです。どうしてでしょう。1ペニーは、1ペニーをつくるためにそれ以上のお金がかかります。手紙は、出す人がほとんどいなくなりました。どちらも、誰かが嫌いになったわけではありません。使う人が少なくなったのです。お金は、カードやスマートフォンで払うことが増えました。手紙は、メールやメッセージで送るようになりました。ペニーをつくるのも、手紙を届けるのも、お金や人の手が必要です。続けたいけれど、続けられない。そんなところまで社会は来てしまいました。(Susumu Fujita) BOOK こどものとも70周年 こどものともが70周年を迎えました。僕は、こどもの時から、子育てしているいまも、お世話になっています。毎月、生み出されてきた絵本たち。僕は、この物語が毎月手元に届くという営みが最高に好きなのです。ありがとう! そして、おめでとうございます! みんなが好きなこどものともの本を紹介します。 「まゆとかっぱ やまんばのむすめ まゆのおはなし」 「こどものとも1987年2月号 ぼく しごとに いくんだ」 「ようようしょうてんがい」 「こどものとも年中向き1975年3月号 おてがみ」 ▷ わたしがすきな こどものとも TRAVEL ふらっと入った美術館で見つけた僕のビートルズ、ド・ムーロン、ドラえもん? 久しぶりに香港に行きました。わが家は共働きでどちらも出張が多いから、息子が一人にならないように注意して予定を組んでいます。でも、時々失敗してしまうんですよね……。先日は、妻がバンコクに出張しているにも関わらず、僕が香港へ出発する、という予定を立ててしまいました……。あぁ、息子はひとりぼっち。冬休み最後の数日を祖父母の家で過ごすこととなりました。香港での仕事の合間にぽっかり空いた時間で訪れた、「M+(エムプラス)」という現代美術館を紹介します。設計を手掛けたのはヘルツォーク&ド・ムーロン。聞いたことないですよね。スイス・バーゼル生まれの建築家ユニットです。(Shin Sasaki) ...
庭しんぶん #101
¥110
PEOPLE レオ・レオーニ - Leo Lionni 絵本から、いろんな言葉で語りかけてくる芸術家。友情、平和、希望。そして、自分の使命に気がつくこと。 芸術家になりたい! レオは、オペラ歌手のお母さん、それに芸術を愛する叔父たちに囲まれて育ったんだ。その中でも建築家で鉛筆画の上手なピエット叔父さんに憧れていました。やがて、レオは「自分は芸術家になる」と心に決めたのです。20代からアートディレクターの仕事に携わり、次第に大きな仕事ができるようになっていく。レオは、他の人には見えないものを見ること、それを表現を通して伝えることが、芸術家の大切な役割だと考えていたんだ。自分が他の人と違うからこそ、レオにしかできない表現があり、自分にしかできない役割を果たすことができる。レオは、芸術家として、自分の使命を強く持って、幅広く活躍したアーティストなんだ。 BOOK 49歳から取りかかったレオ・レオーニの絵本づくり レオ・レオーニは、アトリエに向かう途中で小さなねずみに出会いました。『フレデリック』はその出会いをきっかけに生まれたのです。彼の絵本には、いろいろなキャラクターのねずみが登場します。レオは自分自身とネズミを重ね合わせながら、自分の考えていたことを、こどもたちに向かって語りかけています。▷ 49歳から取りかかったレオ・レオーニの絵本づくり ・「スイミー ちいさな かしこい さかなの はなし」 自分が生きている意味に出会う この絵本で一番たくさん描かれているのは「孤独」の場面です。ほとんどの大人は、「仲間と協力して危険を追い払う」というような意味を読み取ろうとします。でも、著者が多くの場面を費やして描いているのは、仲間を失い、突然襲ってきた孤独と向き合いながら世界を放浪するスイミーの姿です。なぜこんなことが起こるのか。どうしてひとりだけ生き残ったのか。自分が生きているのには何か意味があるのだろうか。そんなことを、孤独の中で考え続けていたに違いありません。 COLUMNS 走る馬が映画を生んだ? およそ150年前、まだ映画もテレビもない時代のこと。イギリスで生まれで、20代で単身アメリカに渡ったエドワード・マイブリッジという写真家がいました。連続写真という技術を生み出し、現代の動画の基礎をつくった人物です。きっかけは、馬をめぐる賭け事でした。馬が走る時、4本の足が地面から離れている瞬間があるのか、ないのか? という難問を解くために写真が用いられたのです。マイブリッジは、新しい写真の技術を駆使して、馬が走る道の横にたくさんのカメラを並べ、少しずつ違うタイミングで写真が撮れる仕組みを考えました。この撮影方法によって、走る馬は4本の脚がすべて地面から離れる瞬間があることがわかったのです。(Rino Kotaka) CHILDCARE こどもとの生活から学び、こどもと生活をつくる こども園に通っている4歳の娘のお楽しみ会。前日に、こどもたちお手製のライフジャケットとチケットが手渡されました。娘の過ごしている「さくら組」は、毎日、海の中で生活をしています。ふだんから「エビ・カニ・ウーパールーパー」と、みんなでつくったという奇妙な歌を歌い、11月11日は「ポッキーの日」ではなく「チンアナゴの日」だというほどです。当日、海に不慣れな親たちは、安全のためライフジャケットを着用し、こどもたちは歌ったり、踊ったり、技や研究を披露したりと、一人ひとりそれぞれの方法で表現して、自分が楽しんでいることを伝えてくれました。ちなみに、娘はけん玉の大皿を披露してくれたのですが、とてもすてきな仲間たちに囲まれていて幸せそうでした。伝えたいことがあって、それを自分の方法で伝える。その喜びがあふれていて、いい時間。とてもたくさんの気づきがあったのですが、まだ、言葉にできません。(Susumu...