小さなチェロがやってきた

小学2年生の息子が昨年末からチェロを習い始めました。今は教本の最初の曲「きらきら星」を練習しています。きっかけは、私が以前弾いていたチェロを昨年約10年ぶりにまた弾き始めたこと。息子が興味を持っていたとき、ちょうど自宅近くに教室があるのを知り、通い始めました。緊張気味で出かけた最初のレッスン、優しい先生にたくさん褒めてもらいとても楽しかったようで、出だしは順調でした。

ところが、「楽器は毎日少しずつでも練習すると上手になれるよ」と1日20分ずつでも楽器に向かおうと言うのですが、遊んでいる方が楽しく、なかなか練習に取りかかることができません。弾き始めると、やる気が出てくるのですが、息子は何事も始めるまでが長い。嫌いなわけじゃないけれど、なかなか集中できないのは彼の性格で、楽器も勉強も似たような感じなのです。

こどもの楽器の練習といえば、私自身はピアノを習っていて、小学生の頃はけっこう熱心に練習していました。練習して上達することがおもしろく、ピアノが好きでした。でも……それっていつからどうやって身についたんだっけ?習い始めた頃のことは小さくて覚えてないけれど、団地住まいの転勤族にも関わらず、アップライトのピアノを与えてくれ、ピアノ曲のレコードを聴かせてくれたり、積極的に関わってくれた両親の存在が大きかった気がします。

日々、息子に優しく声がけしたり口うるさく言ってみたり、あの手この手で楽器に向かわせるこの頃。息子は練習の時は私のことを「かあちゃん先生」と呼び、ピアノの伴奏と合わせて小さなチェロを一生懸命弾いています。しばらくは息子のペースで気長に練習に付き添ってみようと思います。そのうちチェロ2台で合奏できたらいいなというのが私のひそかな夢です。

 


佐々木智子
(ささきともこ)
洋服と雑貨の店「cholon」店主。9月21日に庭ビルにお店をオープンしました。紅茶の本「Tea Time」の編集部スタッフ。趣味はアジアの旅と写真、市場めぐり。