父と通った図書館のこと


私が小学生で、千葉の市川市に住んでいた当時、毎週末のように父と一緒に自転車に乗って図書館へ通っていました。団地を出て畑の中の細い道をしばらく行くと川が見えてきます。左に曲がって橋を渡り、庭に大きな枇杷の木のある友だちの家を左手に過ぎて、駄菓子屋を通り越したあたりに図書館がありました。その頃の学校のことはあまり覚えていないのに、図書館へ向かう道や、児童書がならぶ本棚のことはよく覚えています。「長くつ下のピッピ」や「コロボックルシリーズ」が本棚のどの辺りにあったかまで今でも思い出せるのです。

図書館に着くと、父は大人の本の部屋へ、私はこどもの本の部屋へ。思い思いに過ごしました。タイトルや表紙を見ながら気になった本をぱらぱらとめくり、読みたい本を探します。表紙を開くと地図が描いてあるファンタジーや冒険物の本が好きでした。その頃からものを作るのも大好きでこども向けの実用書もよく借りた記憶があります。父は若い頃車を運転しておらず、よく自転車に乗っていました。私と妹を連れて川釣りに出かけたり、夏休みはプールに出かけたり。父はもうずいぶん前に亡くなりましたが、時々自転車に乗って前を走る姿を思い出します。

さて、最近のわが家。夫と小学校2年生の息子がよく図書館へ出かけています。息子が小さかった頃は、本は親が用意し読みきかせるものだったけど、小学生になると学校の図書室から本を借りて自分で読むことも増えてきました。これからは図書館で、もっともっとたくさんの本に出会えるようになります。自分で選び、自分で読む本の世界はどんなふうに広がっていくのでしょうか。本との出会い、読書の時間を楽しんでほしいなと思います。

 


佐々木智子
(ささきともこ)
洋服と雑貨の店「cholon」店主。9月21日に庭ビルにお店をオープンしました。紅茶の本「Tea Time」の編集部スタッフ。趣味はアジアの旅と写真、市場めぐり。