こどものとも 0.1.2.
じゃがーくん
藤島由美 さく
ちょっと新しいタイプの絵本です。絵本の背表紙を下にして、ページも下へめくっていくのです。なんだか不思議で新感覚。どうしてこんな風に作ったのかと疑問に思いながらページをめくると、なるほど! ページをめくる度にじゃがーくんが高い木にどんどん登っている様子がとてもよく伝わってきます。思わず「わぁ、すごい!」と声が出てしまいました。お子さんはもちろん、大人も一度誰かに読んでもらってください。ページはさっとめくると登っていく様子がよくわかります。じゃがーくんは「どこいくの?」と言われると「いいとこ いいとこ」と答えます。ページをめくる度に、いいとこがどこなのか期待が高まります。最後には期待をうらぎらないとってもいいことが!(TF)
こどものとも年少版
プレゼントをかいに
村田エミコ さく
私はプレゼントを選ぶのが好きです。相手の顔を思い浮かべ、「なにが欲しいかな?」「これはどうかな?」「何色がいいかな?」と考え、「これだ!」とピンときたらそれに決めます。さるのお母さんもこどもたちが喜ぶものは何か考えながらプレゼントを探します。一緒にお店を見てプレゼントを選んでいるようなワクワク感があります。でもお母さんがどれを選んだのかは、最後にならないとわからないのでプレゼントをもらう側のワクワク感まで体験できる、なんとも嬉しい絵本。1ページ1ページゆっくり見て、ページを行ったり来たりしながらじっくり楽しんでください。(TF)
こどものとも年中向き
ペルーの昔話 カメとクロジャガー
ルイス・ウルテアガ 採話・原文 / 星野由美 再話 / あべ弘士 絵
ペルーのアマゾンに暮らすシピボ=コニボ族に伝わるお話。カメが出てくるお話といえば「うさぎとかめ」。でも「うさぎとかめ」のコツコツ努力するカメとは全然違い、このお話に出てくるカメはちょっとずる賢いんです。でもそこが面白い。クロジャガーが気の毒になってきます。そしてもう1つ面白いのが、シピポ=コニボ族にとってジャガーは神聖な動物なのに、お話の中ではカメに負けてしまうんです。神聖な動物でも頭を使わないと力づくではダメみたいです。あべ弘士さんの迫力のある絵に圧倒され、物語に引き込まれます。(TF)
こどものとも
ゆめみのえ
山村浩二 作
夢とは不思議なもので、とてもリアルに感じることがあります。まだこどもが小さかったころ、泣きながら起きてきたことがありました。理由を聞くと「ぼくのぶんのけーき たべられちゃったんだもん」と。どうやら夢の中で食べられちゃったようでした。この絵本のケイサイさんも夢の中で色々な動物になって、色々な景色を見ます。絵本を読んでから、見た夢の話をするのも楽しいですね。会いたい人のことを考えて眠ったら会えるかもしれません。筆で描かれた生き物はシンプルで暖かみがあります。山村浩二さんはこの絵本の短編アニメも製作しているそうです。(AA)
ちいさなかがくのとも
おっと おっと おっとっと
小野寺悦子 ぶん / 福知伸夫 え
我が家の3兄弟は不安定な場所が好きです。ソファの背にすっくと立ちながら本を読んだり、椅子をぐらぐらさせながら宿題をしていたり、塀の上を歩いてみたり。毎日毎日「おっとっと」です。本能がそうさせているのでしょうか。さて体のバランスが崩れそうになると、耳の奥にある器官が感知し脳から筋肉へバランスを立て直す指令が出るそうです。その能力は経験を重ねるほど高くなるですって! さぁ大人もこどもも、みんなで「おっとっと」を楽しみましょう~。(AA)
かがくのとも
うみの みちしるべ
谷川夏樹 さく
船に乗って甲板に出ると、周りには青い海と空が広がり開放感があります。こんな広い海を進んでいくのはどんなに気持ちがいいんだろう。でも船長さんはただ好きなところを自由に進んで目的地を目指しているわけではないそうです。陸には道路があり道路標識があるように、海にも航路があり航路標識があるんですって。まだまだ知らないことがたくさんあります。作者の谷川さんは操舵室や海上交通センターに実際に行っているだけに、絵も細かいところまで描き込まれています。よーく見てみてくださいね。(TF)
たくさんのふしぎ
みんな知ってる? 会社のしごと
野田映美 文・絵
昨年はいろいろなことが変わった一年間でした。今では当たり前になったマスクや手の消毒。そして仕事のスタイルが変わった方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。家でパソコンを開いて仕事をする、そんな姿にこどもたちも見慣れてきたころでしょうか。今月のたくさんのふしぎは、仕事の話です。どんな仕事があって、それがどう繋がっているのかわかりやすく書いてあります。身近な人の仕事のことを知るっておもしろい!(AA)
母の友
子どもの絵について話そう おえかきは自由だ!!
コラムを書いている絵描きさんたちが「子どもの絵は素晴らしい」と口を揃えて言っています。「子どもに負けないように描いています」「子どもに戻る努力をしている」「子どもは抽象画の巨匠です」と絵を描くことを仕事にしている方たちがこのように言っていることに感動します。大人の役割はこどもの絵の良き理解者であることだそうです。どうやったら良き理解者になれるのか。こどもにどんな風に声をかけたらいいのか、絵の保存ってどうしたらいいの? 具体的に書いてあります。こどもに関わる全ての方に読んでいただきたい。私も間違った声がけをしていなかったか点検させられました。お絵かきは自由です!(TF)