こどものとも 0.1.2.
ぞろ ぞろぞろ
尾崎玄一郎・尾崎由紀奈 さく
なにやら身近な材料でつくられた同じようにみえる顔がいくつも並んでいます。でも、じっくり見ると違うのが混ざっているみたい。ぞろぞろ歩いているので、声をかけ呼んでみると!? あ、いましたいました、みんなとは違う顔をした人が返事をします。並んでいるなかに呼びかけると、返事をする。この繰り返しが楽しい絵本です。夫婦で絵本を作っている尾崎さんご夫妻。これまでの彼らの作品は、どれも印象深く記憶に残っています。『きっさ すなどーひー』はこどもたちに大人気でした。こどもたちと楽しんでみてください。(SF)
こどものとも年少版
ながーくなった
きむらよしお さく
小学生の息子が、「お父さん、この絵本面白いねー」と言っていました。こどもが面白いね、という絵本って、なかなか力のある絵本です。絵を見ただけで、どういう絵本かわかってしまうくらい単純でわかりやすい絵本でもあります。だって、馬に噛まれると顔が伸びちゃうというストーリー。これだけで楽しめる大人はいい感性が残っているなと……。作者の『ねこがむ』という絵本を思い出しました。ナンセンスな楽しみを描くのが得意なきむらよしおさんです。(SF)
こどものとも年中向き
ゆきだ ゆきだ
中村至男 さく
雪が降ると、こどもはどうしてそんなに嬉しいのか。記憶を辿ると少しだけその気持ちを思い出す気がします。今年はまだ雪が少ないですが、このまま降らないってことはないでしょうから、たっぷり雪遊びをこどもと一緒に楽しむ覚悟でいます。絵本を読みながら、これから起こることをこどもと想像したり、話し合ったりすることができるのも絵本の良いところ。それにしてもこの絵本、白を全部同じ色にしているので、とても不思議な絵に見えます。北国に住んでいるとよくわかりますが、現実では白にもいろいろな種類があり、光や影があるのでこうはなりません。でも絵本だとこういう表現もできるんですね。(SF)
こどものとも
とりになりたかった こぐまのはなし
アデール・ド・レェーエフ 作 / 中尾幸 訳 / アヤ井アキコ 絵
この話は図書館員であった作者のアデール・ド・レェーエフさんが、70年前にこどもたちのために書き、雑誌に掲載されたお話です。それが語り継がれ今回絵本になりました。すごい! とりに憧れを持つ気持ちに共感します。こぐまと同じ気持ちになって楽しんでください。(TF)
ちいさなかがくのとも
パワーショベル!
鎌田歩 作
以前甥っ子2人と散歩していたら、ショベルカーがずらっと並んでいるところがあり、立ち止まって動いてもいないショベルカーを1時間ほどじっと見ていたことがありました。今回主役のパワーショベルはそんな子にはとても魅力的。先を付け替えて1台で様々な仕事をしてしまう働き者です。(TF)
かがくのとも
ななくさ つんで ななくさがゆをつくろう
かわしまようこ ぶん / 辻川奈美 え
私の家では、七草がゆを食べる習慣がなく、七草が何かと言われると答えられませんでした。この本を読んで、七草の中には、小さい頃外で遊んで摘んでいた雑草も入っていると知って驚き! 北海道では雪の中に埋もれて自分で採って作ることはできませんが、七草について知ると七草がゆが一気に身近に感じられます。(TF)
たくさんのふしぎ
うれし たのし 江戸文様
熊谷博人 文・絵
我が家では最近、小学1年生の息子が、寝る前に読む本は「たくさんのふしぎ」シリーズしか持ってきません。ぼくも好きでバックナンバーが大体揃っているので、選択肢は1985年の創刊号から、現在に至るまで果てしなくあります。このシリーズは読み聞かせをする本なのか、一瞬迷いますが、世界の不思議を息子と2人で眺めて楽しめるのは幸せなことだと、普通の絵本の5冊分以上あるなとか、長いなと思ってしまうところをグッと我慢して読んでいます。「今日はここまで」と半分で終わることもありますけどね(笑)。江戸時代の文様、そこに描かれているモチーフ。その連なり。何気なく日常にあふれていますが、改めて見ると、そこには知らない世界が広がっていました。鬼滅の刃でも、出てきますよね。(SF)
母の友
絵本で世界旅行
野坂悦子さんのガイドで、絵本で世界旅行。絵本って、ページを開いてじっくり味わえるので、映像と違う世界が味わえるのだな、思います。わにわにシリーズの作者小風さちさんの「読むことは『体験』になる」というエッセーもふむふむと共感しました。読書って仮の体験じゃなくて、実体験なんです。(SF)