こどものとも 0.1.2. みてるのだーれ
松岡達英 さく
目が合うって素敵なことです。じっと見つめられると、なかなか目をそらすことができません。人と話すときも目を見つめます。見つめ合うってことは通じ合うってことなのかしら。表紙をめくるとタンポポの草かげからのぞく、2つの黒く小さいつぶらな瞳。「みてるのだーれ」。その目はこちらをじーっと見つめています。この絵本をめくるとたくさんの生き物たちが、きみのことをじーっと見つめていますよ。
こどものとも年少版 だれか いるみたい
イチンノロブ・ガンバートル 文 / 津田紀子 訳 / バーサンスレン・ボロルマー 絵
かくれんぼや間違い探しは好きですか? 何かを発見することって嬉しいことです。そして、その体験は、安心や喜びに繋がります。見つけたときにはその喜びを共有したいですね。この絵本もたくさんの発見があります。隠れている動物は何か予想したり、動物の数を数えたり1ページ1ページをゆっくり楽しみながら繰り返しよんで、新しい発見があったら一緒に喜びましょう。モンゴル出身夫妻の絵本。絵から異国の香りがしてきます。
こどものとも年中向き わたしは せいか・カブリエラ Me llamo Seika Gabriela
東郷聖美 さく・え
我が家で東郷聖美さんといえば、プリンが大大大好物で一度に何個も食べちゃう少し忘れっぽいひいおじいちゃんと、孫のりつくんの何気ない日常の会話がなんとも優しい絵本『ひーじー』。この本では、東郷聖美さんの娘、5歳の「せいかちゃん」が、日本とボリビアのいろいろな違いを教えてくれます。せいか・ガブリエラちゃんのお父さんはボリビア人、お母さんは日本人です。それぞれの国の違いが日本語とスペイン語で書いてあります。我が家の息子は、「せいかがぶりえらってなあに? どういう意味?」と興味津々。「"こんにちは"はスペイン語で"Hola"っていうんだって」「ボリビアの犬はひとりで散歩するんだって!それって散歩なの??」といろんな発見があります。普段はなかなか触れることのないスペイン語。その音と文化を親子で楽しんでみてはいかがでしょうか。
こどものとも へらへらおじさん
佐々木マキ
へらへらしたおじさんの物語。前作は、災難に会いっぱなしの『へろへろおじさん』の物語でした。「へろへろ」と「へらへら」は、全然ちがいます。人生に災難はつきものです。でもこのおじさんは、ずっとへらへらしているのです。いったいなぜでしょう? 竜巻に巻き上げられたり、ワニに靴を食べられたり、次々に災難が起こるので、次は何が? まだあるの? とページをどんどん進めたくなります。当の本人がへらへらしてるので可哀想と思う暇もなく笑ってしまいます。へろへろおじさんも一緒に楽しんでくださいね。
ちいさなかがくのとも つぶつぶ ころん
すずきかいか ぶん / 堀川理万子 え
おばあちゃんの家に遊びに行った女の子が、おばあちゃんの家の庭に咲いていたお花をもらって帰ってきました。花瓶に飾っておいてたら、次の日、花瓶の周りには黒いつぶつぶがおちていました。掃除してもまた次の日に見たら落ちているつぶつぶ。その正体は一体なんでしょう? 人から教えてもらうのではなく自分で観察して、考えて、何かを発見することはとても嬉しいことです。この本の見返しにはお花のような模様が描かれています。でもこれ、お花ではないのです。答えを見る前になにか予想してみてくださいね。答えを知ってびっくりします!
かがくのとも まる!
佐藤雅彦+山本晃士ロバート(ユーフラテス)
これは不思議な絵本です。この絵本に向かって言葉を言うと、絵本の中の人たちが言った通りの動きするのです。そんなことありえないと思いましたか? まずは絵本を開いて「まる!」と大きな声で言ってみましょう。「ピタゴラスイッチ」の企画、映像制作をしている2人の作品。この2人の絵本はいつもワクワクします。絵本を読んだ後は、家族で絵本と同じように言った通りの動きをして遊びたくなるはずです。かがくのともには毎回折り込み付録が付いています。今回は虫たちがオリンピックをしています。それぞれの競技のスペシャリストが勢ぞろい。オリンピック観戦を始めましょう。
たくさんのふしぎ 街のネズミ
原啓義 文・写真
その昔、あるお家に遊びに行った時のことです。私はお茶をご馳走になり、ダイニングテーブルで数人の知人と過ごしていました。しばらくすると、私の座っている2メートルほど先を黒い影が横切りました。おや? と思っていると、そのあとも右に左にチョロチョロしています。その時は姿を見る前に、その影は家を出て行きましたが、どうやらネズミだったようです。今月のたくさんのふしぎはなかなか見かけることのできない街のネズミの写真がいっぱいです。写真を見ると思わず「かわいい」と呟いてしまうことでしょう。ネズミの生き生きとした姿、必死に生きる姿が写し出されています。街中でネズミを探してみたくなりますよ。ところで私の祖母や両親は東京に住んでいます。札幌にいる私は、コロナの自粛期間中にオンライン帰省をしました。その時に祖母が「銀座もね、人はもぬけの殻でね、ネズミが我がもの顔でウロチョロしているのよ。ゴミをあさったりしているの」と話していました。なんともタイムリーな今月号でした。
母の友 身近な自然を感じる
こどもと自然を楽しむことはハードルが高いと感じる方もいるかもしれません。今回の特集では、意気込まずにただただこどもと一緒にのんびり自然を楽しむヒントがたくさん書かれています。自然がもっと身近なものに感じられそうです。絵本作家、西平あかねさんの童話や齋藤槙さんの絵本のお話など今回も見どころ満載な母の友でした。