じゃがいものはなし


年を越えたじゃがいもがおいしくなる、ということを知ったのは北海道に来てから。雪の下ニンジンや、越冬キャベツ。野菜を保存するのに、雪に埋めるなんていう方法があるのは北海道ならではですよね、きっと。みんなは当たり前に知っていても、実は他の地域では当たり前ではないってことがあります。保存された野菜は春になっても、シワシワになってもおいしいからびっくり。暖かい地域では芽が出ちゃうから、新じゃがの方が価値があるのかなぁ。なんでも「新」ってつくと貴重な感じもするし、どうなんだろ。
野菜を冷凍保存するわけではないから、凍ってしまわず、天然に保存ができるて、更においしくなるって、雪や寒さの力はなんとも魅力的。昨年豊作だったじゃがいも。年を越えたら、ちょっと甘すぎでしょ! というほど。煮物は薄めに味付けして、砂糖はもちろん、みりんさえも必要ない。スープや煮込み、フライドポテト、そして蒸しただけでも最高。北海道のじゃがいもは生産量だけでなく、味も日本一なんじゃないかな。みんな、そう思わない?

 


安斎明子
(あんざいあきこ)
たべるとくらしの研究所副理事長。畑担当の理事長が作った野菜たちにたっぷり手間暇をかけ、一切の無駄を出さずに絶妙な味を引き出す料理人。季節の果樹を使ったジャムなどの加工品や香味野菜のオイル漬けなど幅広く保存や加工を研究している。最も畑に近い料理人。