寒さが緩んでも、なかなか暖かいとまではいかないのがちょっとつらいこの時期。冬の間、スーパーへ行けば、色々な鍋のスープの素が売られていて、簡単に温かいものが食べられる本当に便利な時代です。でも、何かひっかかる。その心のひっかかりを絵本が解決してくれました。こどもと読んだ『くぎのスープ』という絵本。タイトルからして、むむむむ??? とくる絵本です。くぎ1本で極上のスープがつくれるという男ですが、実際には、コレを足すと旨くなる、アレを足すとさらに旨くなる、ますます旨くなる、ぐっと旨くなる、と言って、畑ではなく食材庫から色々な食材を足していきます。それが本当に絶妙な食材で、私までワクワクしてしまいました。なんだかんだ言いながらスープをつくっていく過程が実にリアル。巻き込まれながら、一緒にスープをつくっていく楽しさまでも味わえます(ちなみに、絵本の本当の内容は美味しいスープをつくるお話ではありません)。
きっとなんでもそうですが、ワクワクしたり、誰かと一緒に何かできるという「過程」は、とっても大切にしたいところ。スープの素で時間を短縮したり、次の行程を考えないというのは、やはりもったいないと思えてしまいます。だって、くぎ1本からも美味しいスープがつくれてしまうのだから。「安全に食べる」と同じくらい「つくる豊かさと想像する楽しさ」も忘れずにいたいと、3月は自分を確認するために一旦立ち止まるようにしています。そして新しい気持ちで、新しい1歩を歩み始めたいです。