新しい生活


新しい地での生活がはじまりました。お正月、春分、新学期や入学式など、1年の始まりは色々ありますが、引っ越した新しい地でのスタートは、人生の中のひとつの始まりな気がしています。田舎なので景色はどこまでもつづく雪と山。先日、娘と近所を散歩をしたのですが、すれ違う人も車もなく、畑や田んぼも雪の下。空き家が多いこの場所は、なんだか寂しい地域に見えました。でも、私はここにワクワクを感じています。

私たちは、畑や台所でものをつくり、生み出す暮らしをしています。そこに必要なのは、都会にあるものではなく、自然にあるものです。周囲を見渡すと、一見何をしてるかわからない、ものを生み出す、ちょっと変わった面白い大人がたくさんいます。もちろん、会社に行って、しっかり仕事をする立派な大人もいますよ。そんな、ちょっと変わった面白い大人と会うと、勇気や元気をもらいます。私たちの暮らしの中の、今、こうして何もしてない(ように見える)状況は、やっぱり不安もたくさんありますしね。

ものを生み出すことは、たくさん考えています。今、地面は雪で覆われていて何も見えません。そこで何ができるのか、何をしたらいいのか。地面が現れた時に慌てないよう今はひたすら想像する時間です。本を読んだり、人に会ったり。日々の食べ物は、夏の間にストックした食べ物と、今ある根のもの(大根・ジャガイモ・人参など)で過ごしています。地面だってきっと何もしていない訳ではなく、植物が育つよう、栄養をたくさん蓄えている時間。地面と同じように、私たちの暮らしは、一見、とってもわかりにくいのですが、この冬をどう過ごすか。これから春が来ますよーという立春は、春を準備する時。

面白い1年になりますように。今は間違いなく、そんな準備をする時期だと思っています。

 


安斎明子
(あんざいあきこ)
たべるとくらしの研究所副理事長。畑担当の理事長が作った野菜たちにたっぷり手間暇をかけ、一切の無駄を出さずに絶妙な味を引き出す料理人。季節の果樹を使ったジャムなどの加工品や香味野菜のオイル漬けなど幅広く保存や加工を研究している。最も畑に近い料理人。