冬じたく

収穫の季節が来た!と思ったばかりでしたが、早くもそろそろ終盤です。家と作業場と畑。この3点がすぐ近くにある暮らしをずっと求めていた私たちにとって、蘭越で過ごす収穫の季節は、理想の暮らしを満喫した時間でした。バタバタと冬に引越して来て、改装しつつ雪山を堪能していたので、近くに海や川があると知ったのはずいぶん後のこと。夏になり、家の周りで充実した水遊びができるとは。思いもよらない環境にニンマリです。

知り合いが次々に大人数でやって来ても、元保育園の我が家では体育館に宿泊すれば大丈夫。元園庭にテントを張る友人もいてとっても自由。お腹が空いたら、畑へ行って山盛りの枝豆と野菜を収穫。枝豆をツマミにしながら、採れたて野菜でごはんの支度。そんなラク〜な生活もあとわずか。あっという間に雪で全てを覆い尽くされてしまいます。だから今はせっせと保存食づくり。まわりには農家さんも多いので、質の良いハネ品と自家製酵母のパンを物々交換したり、コンテナでトマトをいただいたら、トマトピュレにして半分お返し。お互いの家に1年分のトマトピュレが完成しました。

全てが新しく新鮮な1年。季節の仕事を学ぶチャンスは1年に1度です。今年の学びは来年に。果樹も植えたので、数年後の楽しみも増えました。このペースでは、あっという間におばあちゃんになりそう。そんな風に思っています。

 


安斎明子
(あんざいあきこ)
たべるとくらしの研究所副理事長。畑担当の理事長が作った野菜たちにたっぷり手間暇をかけ、一切の無駄を出さずに絶妙な味を引き出す料理人。季節の果樹を使ったジャムなどの加工品や香味野菜のオイル漬けなど幅広く保存や加工を研究している。最も畑に近い料理人。