Q、こどもの寝かしつけって必要ですか? 姉や友人は寝かしつけが大変そうですが、海外ドラマを見ていると、1歳未満のこどもでも、ベビーベッドに寝かせて「Good night!」って電気をパチっと消しています。なぜ日本では寝かしつけが浸透しているのでしょう?(30代女性)
A
ひとことで言うと、文化です。育児は文化のなせる業です。それも地域全体とか、国を挙げてではなく、家族単位で伝わっているものです。結婚して2つの家庭の文化が混ざり合い、調整され、その家庭のやり方となります。お母さんとお父さんは、こどもを寝かしつけている様子を見たことや聞いたことがあって、見よう見まねで寝かしつけを始めるのですね。そして、それがその家庭のやり方になるのです。話し合って決めているわけではありませんから、特に不自由さも感じていません。あなたが端で見ていて思うほど大変ではないのかもしれませんよ。我が家も添い寝でした。ただし、変えようと思えばいつでも変えられます。こどもははじめは戸惑いますが、1週間もすれば新しいやり方に慣れます。だから今一度、暮らしやすい寝かしつけを考えてみてはどうでしょう。スキンシップやぬくもりなどといった、添い寝の効用を説く人がいるかもしれません。けれど、毎日の生活の中でそのことは別の時間にも持てます。
アメリカの絵本『おやすみなさいフランシス』(福音館書店)では、7時に寝ます。アナグマのフランシスはひとりでベッドに入り、お母さんとお父さんは「おやすみ」と言って部屋から出ていき、お茶の時間です。フランシスはひとりで天井を見たり、カーテンを見たり。するとそれが何かに見えてくる。眠れなくてお父さんに「何かいるみたい」と何度か言いにいきます。最後にお父さんは「風はカーテンを揺らすのが仕事、お父さんは毎朝9時に会社に行くのが仕事、おまえの仕事は、早く寝て、朝元気よく起きて幼稚園に行くこと」と話します。そしてついに眠りにつきます。『おやすみなさいコッコさん』(福音館書店)では、お月様がコッコさんとお話して、眠りへといざないます。作者の片山健さんの家ではこうしていたのだろうと思いました。質問者も読者の方々も、寝かしつけを含めて暮らし方を自分たちで考えてみてください。親しい家族と情報交換をして良い方法を考えて試みてみましょう。その上で添い寝がいいとなればそれでいいと思います。