こどもはいつお父さんという存在を認識するの?


Q

こどもはいつお父さんという存在を認識するの? お母さんは確実に認識している気がするけど、お父さんという存在は、いつ、どういうところから認知するものなのでしょう?(30代男性)

 

A

こどもが「自分の遺伝子の半分はお母さんから、あと半分はお父さんから受け継いでいる」と理解し、さらに「お母さんは自分を生んでくれた人で、お父さんは自分とお母さんと共に暮らし、守り育ててくれる人」と明確に理解できるのは8歳か9歳くらいではないかと思います。こどもはお母さんのおなかの中にいる時から、お母さんの匂いをかぎ、声を聴き、生まれた途端にその腕に抱かれ、おっぱいをくわえ、ほとんどすべての欲求を満たしてもらいます。だからこどもは命がけでその存在を頼りにします。お母さんをそういう存在として認識しているでしょう。
さてお父さんは何をする人でしょうか? お父さんがしていることが重要です。お風呂に入れてくれる。たかいたかいをしてくれる。「お父さんだよ」と言ってのぞきこんでくれる。それらの中でも赤ちゃんにとって最も重要なのは、おっぱいを飲ませてくれる人と微笑みをかわし、自慢そうに自分を見て、名前を呼んでくれることではないでしょうか。また、お母さんが安心して赤ちゃんのお世話をするためには、精神的に安定していることが不可欠です。それに一番貢献できるのがお父さんです。『驚くべき乳幼児の心の世界』(ミネルヴァ書房)では、生後3か月の赤ちゃんが、母親に向けていた注目を笑顔を残したまま父親にも向けることが記されています。どうぞ赤ちゃんを良く見てください。すでにあなたをかけがえのない人として見つめています。
とにかくお父さんのできることを毎日することで、こどもはお父さんは何をする人かを認識します。そうするうちに赤ちゃんはお母さんには安心を求め、お父さんにはワクワクを求めます。1歳の赤ちゃんは、間違いなくお父さんをそういう存在として認識しています。あなたにたかいたかいを求めて両腕を広げてくるとき、お父さんを求めています。でも、泣いている時に抱こうとすると手を払われてしまう。「今は、お母さんがいいの!」ということです。これが答えです。

 


藤田春義
(ふじたはるよし)
1954年秋田県生まれ。大阪社会事業短大専攻科卒。むかわ町にて保育のしごとを6年余り経験し、その後、札幌第一こどものとも社に勤務。1996 年に絵本とおもちゃの専門店「ろばのこ」を立ち上げ、育児教室を開催してきた。年間 50 本以上の保育研修を実施。2000年より保育実践セミナーを主宰し、幼稚園や保育園の先生と絵本や伝承わらべ 唄、子どもの遊びについてセミナーを開催している。2019年度から研修部門をメインに活動する。北翔大学短期大学部非常勤講師。