Q、どうして結婚するんですか? (小学6年生男子)
A
「どうしてセックスするんですか?」ではなくて、「どうして結婚するんですか?」の質問でしたから、すごく難しくて何回も何回も書き直しました。僕が結婚のことを考えたのは、今の君よりももっと後で高校生くらいだったと思います。それは僕の両親のような結婚はしないということでした。こどもの僕から見て両親は仲良く見えませんでした。むしろいつも張り合って、けんかに近い状態でした。父が母を叩いたのを見たこともありました。だからそのように考えたのだと思います。でもそれは僕も結婚するようになると思ったからです。どうしてそう考えるのか。これが今回の質問ではないかと思いました。
僕は結婚して38年経ちました。今、自分の結婚を振り返って君への答えを探しています。結婚して妻と一緒にご飯を食べたり、寝たり、好きな音楽を聴いたり、旅行したり、昨日のことや将来のことを話したりして過ごしてきました。僕は幸せだったなぁと実感しています。それは「ありのままの藤田春義」という人間を受け入れ、話し相手になり、寄り添ってくれた人がいたからです。「藤田春義」は少年の時代に女子を意識し始め、同時に自分は男であることを意識しました。また、親や兄弟や親戚、学校の先生や同級生、近所のおばさんやおじさんと出会い、自分の性格の良いところ悪いところや恥ずかしいところ、得意なこと不得意なことも少しずつ分かって来ました。自分という人に出会って分かるのだと思いました。妻と出会った時に、「ドキドキ」と同時に、この人の前なら「ありのままの自分」でいられると感じました。この人と「ずーっと一緒に居たい」と思いました。
38年経って僕は、この人から喜びをいただき、この人を喜ばせることに喜びを感じて過ごしてきたことに満足しています。僕が男であること、性格の悪いところ、恥ずかしいところ、不得意なこと、落ち込むと中々立ち直れないところなどなど、良いも悪いも受け入れて共感してくれる人が僕の人生の助け手でした。人という字の成り立ちを知っていると思いますが、僕は「ノ」で妻はそれを支える方だと思っていました。僕はそのおかげで「人」として生きてこられました。これが君への答えです。