庭とり

庭しんぶんのデザイナー、石田です。ビルに、鶏がやってきました。やってくるまでの話と、やってきてからの話。すこしずつ書き留めていこうと思います。


8 APRIL 2021


たべるとくらしの研究所の安斎さんからメッセージが届きました。「緊急連絡! 養鶏場廃業のため、2000羽殺処分。欲しい方に譲っているらしい!」と。北海道の日本海側、奥尻島を眺めるせたな町で、オーガニック飼料で飼育されていた鶏が、殺処分されるというのです。まだまだ卵を生む鶏たちです。

ちょうど私たちは鶏を飼おうかと、雛から育てようかと計画を進めていたところでした。「これは運命だ…!!」と鶏を引き取ることを決めましたが、殺処分の予定日、4月16日まであと8日しかない……

庭しんぶんの藤田編集長は鶏飼育経験者。編集長と私が中心になり飼育計画を立てることになり、50羽を引き取ることに決定。鶏が来ると決まったら、受け入れるための小屋が必要です。設計図を書く時間がなく、とりあえず仮設の鶏小屋を建てることになりました。


 

14 APRIL 2021

私と藤田編集長で、軽トラにコンテナを積んで、せたな町まで3時間半。鶏を迎えにいってきました。到着すると、鶏たちはビニールハウスの中を元気に走り回っていました。明後日殺される子たち。元気すぎる。私は鶏が怖くて捕まえるどころか触ることもできません。

 

藤田編集長、笑顔でひょいっと鶏の足を掴んで次々と捕まえています。「お尻が下痢で汚れてない子を選ぶんだよ。風邪をひいていたり、病気だったりするからね。」と言いながら、ものすごいスピードで鶏を捕まえる編集長に少々引いてしまいました。


胸で優しく抱くたべるとくらしの研究所・安斎さん。こうやって抱いたらおとなしくなるみたい。なんだか可愛く見えてきました。




必死で逃げる鶏を、着々と捕まえ続ける編集長。さっ処分されるよりは絶対しあわせだから…! 少しの間、我慢してね! コンテナ1箱に4羽ずつ。しっかり荷台にくくりつけて、札幌まで運んできました。ここまでが庭ビルにやってくるまでの話(つづく)。