庭しんぶんの連載「あの鳥だぁれ」の先崎さんも執筆している『日本の渡り鳥 観察ガイド』。むちゃくちゃ面白いです。つまみ読み状態でまだ読破していないのですが、このまま本のチャプターに合わせて公開講座をしてほしい。この本に書かれていることをじっくり理解していたいって思わせる1冊です。
渡り鳥たちは、時計とかカレンダーとか地図やGPSなんて持ってません。ましてや、『サシバのための渡り方ガイド』なんてものも存在しません。だって、文字を持たない種族ですから。じゃあ、どうやって彼らは、渡りの時期を正確に判断できて、しかも、目的地を決めて、そこにたどり着くことができるんでしょうか?とっても不思議。でも、よく考えてみると、時計とか地図とかって、人間のための道具ですもんね。自然界の多くの種族たちは、それがない状態で生活している。
さて、渡り鳥のことを調べようと思ったら、飛んできた鳥を眺めて、それがどこに飛んでいくかをどうやって調べるんでしょう。標識調査で足環をつけて目印をつけたりするんですけど、その鳥をどこかの誰かが見つけてくれる可能性ってそう高くありません。こういう本1冊に詰め込まれている情報量って、専門家たちの不断の努力の賜物。素人の僕にとっては「ありがたや」の一言に尽きます。
もっと、鳥たちのことを知りたい。世界を旅する鳥たちのことを。そして、一緒に旅したいなぁ。