あのくもなあに

 
庭しんぶんの5月号が発刊されました。世間は、元号が変わって賑わっていますね。いろんな話題があがっているようですが、今のところ、これといって強い関心がある内容も見当たらないし、なにかが変わったという実感もないので、のんびりした気分でおります。

さて、5月号のテーマは「お散歩」です。普段は、地面ばかり眺めてお散歩しがちですが、5月は空を見上げるようにしています。そこにいるのは変幻自在な雲さんたち。すると、雲の形が何かに見えることがあります。

今朝も、空を見上げなら散歩をしていると、雲がどんどん姿を変えて、動いていきます。雲って、靄(もや)なんですよね。遠くから眺めていると塊のように感じてましたが、写真を撮ろうとしても秒単位で形が変わるものだから、その時にはじめて、靄なんだってことを強く実感したのでした。

平成という時代を捉えようとすると、何かしら足がかりがあるのでしょうが、時代は30年の単位で振り子が揺れている気がします。大きな歴史もあれば、小さな歴史もあって、誰にも省みられないような出来事の積み重ねが日常をつくっています。大声で喧伝されていることは、靄のように捉えどころのないものを強引に形にはめ込もうとしているだけなのかもしれません。元号が変わったからといって、時代が変わるわけではなく、変わるのは僕たちの意識と生き方によってでしかありません。それを誰かにコントロールされないようには、気をつけたいなと思っています。

 

あのくも なあに?
富安陽子・ぶん / 山村浩二・え
福音館書店 / 2018年発行