「怒る」と「叱る」の違いってなんですか?

Q、「怒る」と「叱る」の違いってなんですか?(30代男性)

A

こどもとの関係のご質問としてお答えします。まず、「怒られる」「叱られる」側と「怒っている」「叱っている」側を分けて考えます。「怒られている人」は、「原因は自分がつくったのだからしょうがないけど、そこまで「カッカ」としなくてもいいじゃないか。まして「ゴツン」とやらなくたって!」と心の中で思っています。「怒っている人」は、「思わず怒鳴って、それに叩いてしまった。悪いことをしたのはあの子だけど、自分も感情的になってしまった。やり過ぎてしまったかもしれない。今度からは分かるように話をしよう」これは、「怒ってしまった」側の反省も含めた状態。

次に「叱られている人」は、「はいはい、分かりました。あなたの言う通りです。確かに私がやりました。悪いのは私です。「本当に分かっているかって?」はい、分かっています。でももう一度同じことが起こったら絶対にやらないなんて約束できない」と、心の中で思っています。「叱っている人」は、「悪いことは悪い、とちゃんと言って聞かせなきゃ、あの子のためにならない。少しくらい痛い目に合わせないと分からないし。将来のために必要なこと」これは、「叱った」側の理屈で相手を従わせる論理です。「怒る」のが感情的で、「叱る」のが論理的なんて区別してもなんの意味もなくて、どちらも力関係の差の大きい、抵抗できない相手に対するやや暴力的な接し方だと思います。

ぼくは長男、次男、三男、四男に対しては、「怒る」も「叱る」もしていました。よく考えていなかったからです。五男が生まれた頃から考えはじめました。児童精神科医の佐々木正美先生とお会いし、著書を読んだことがきっかけでした。「躾と称して理屈でねじ伏せ、暴力さえも正当化して叱ることが、大人の身勝手考え方だ」と気づきました。6番目に生まれた長女、7番目に生まれた六男に対しては「怒る」、「叱る」をほとんどしなくなりました。泣くにも笑うにも理由があり、機嫌が直ってから話せば、大抵のことは分かるのだと実感したからです。

質問者へ。「こどもに何かを伝えたい時は、気持ちに寄り添い気持ちを知るための努力をすることが、怒るよりも叱るよりも必要だ」と今の私は考えています。

藤田春義(ふじたはるよし)
1954年秋田県生まれ。大阪社会事業短大専攻科卒。むかわ町にて保育のしごとを6年余り経験し、その後、札幌第一こどものとも社に勤務。1996 年に絵本とおもちゃの専門店「ろばのこ」を立ち上げ、育児教室を開催してきた。年間 50 本以上の保育研修を実施。2000年より保育実践セミナーを主宰し、幼稚園や保育園の先生と絵本や伝承わらべ 唄、子どもの遊びについてセミナーを開催している。2019年度から研修部門をメインに活動する。北翔大学短期大学部非常勤講師。
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