遊びってなんでしょうか?


Q

こどもの遊びは自由で豊かだなと感じます。ただ、その遊びを保育士がどう助けていけばいいのか悩んでいます。日々、こどもへ遊びを提案、援助しますが、ときにそれが大人の押し付けではないか、こどもにとって本当に必要なことなのかどうか、わからなくなります。遊びってなんでしょうか?(30代女性 保育士〈1歳児担当〉)

 

A

相談者は本当に良い悩み方をしています。提案している遊びが大人の押し付けではないか、本当に必要なことなのかと悩み、目の前のこどもに関して自分の理解の仕方は不十分だと感じている謙虚さが素敵です。遊びは、物や人とどのように関係を結ぶかが大変重要です。そのカギを握っているのが、担任です。相談者の悩みはこの責任の大きさに対する悩みではないかと思います。

1歳児クラスのこどもの特徴を大まかに見ると、やっと歩き始めたところから走れるようになります。手の働きは、つまむ、めくる、たたく、引っ張る、握る、積むなどできることが増え、上手になります。また、見立て、ふり遊びから、簡単なごっこ遊びを楽しむようになります。言葉も、指差し、身振り、片言から意思や欲求を表すようになります。毎日、様子が違うと言っても良いほど日々成長しているのが1歳児です。そこが難しいところです。さて、遊びをどう助けていけば良いかについて考えましょう。

第1は一人ひとりのこどもを細かく観察して個々の記録をすることです。〇〇ちゃんは今、何に関心があって、何ができるのか。それをどのように楽しんでしているか。誰と共感し、誰を頼っているか。その様子を楽しみながら観察を重ねると、今、していることから次にしようとすることをおおよそ予想できるようになります。 第2は遊びの様子と保育士の関わりを定期的にビデオカメラで撮って、クラスの会議や職員会議でテーマを決めて発表することを勧めます。遊びの様子を繰り返し見ることで課題が見えてきます。保育中の自分の姿を客観的に見ることもできます。また、発表することで仲間からの助言を得ることができます。第3はおもちゃについての知識、植物や昆虫や天候などの自然環境についての知識、ごっこ遊びや構成遊びなどの研究はこどもへの理解を深めますので自分の関心のあるところから取り組んだらいいと思います。第4は何のための保育か。なんのための遊びかという、明確な目的を持つことです。保育指針で示している保育の目標は「こどもが現在を最もよく生き、望ましい未来をつくり出すための力を培う。」です。相談者も自分の言葉にしてみて下さい。

最後に「遊びって何でしょうか。」の問いに答えます。認定こども教育・保育要領では「自発的な活動としての遊び」と遊びを説明し、「生活と遊びを通して総合的に保育すること」と記されています。ですから、生活以外のすべての自発的な活動が遊びです。望ましい未来は今のこどもたちの遊びにかかっています。私は「今のこどもの幸せが未来の平和をつくる」と考えています。

 


藤田春義
(ふじたはるよし)
1954年秋田県生まれ。大阪社会事業短大専攻科卒。むかわ町にて保育のしごとを6年余り経験し、その後、札幌第一こどものとも社に勤務。1996 年に絵本とおもちゃの専門店「ろばのこ」を立ち上げ、育児教室を開催してきた。年間 50 本以上の保育研修を実施。2000年より保育実践セミナーを主宰し、幼稚園や保育園の先生と絵本や伝承わらべ 唄、子どもの遊びについてセミナーを開催している。2019年度から研修部門をメインに活動する。北翔大学短期大学部非常勤講師。