いろんな方の写真を撮らせていただいていると、ひとは美しいなあ、としみじみ思います。代々受け継がれてきた、色つやのある家具や、使うたびに味わいが増していく焼き物のように、今まで生きてきた時間そのものが、ひとりの中に流れています。だからこそ、思うんです。みんなもっとね、もうちょっとばかし大きめの声でね、自分、いいぞー!ってことを言ってもいいんじゃないかなと(ようは、自分大すき! でええやんか、ということ)。
人生の節目や記念日にはもちろん、思い立ったその時に撮るのもいいと思います。何かのタイミングで写真を撮り、そこに写る自分の姿を眺めてみることは、ここからどんなふうに生きていこうかと、前を向くきっかけにもなります。何よりも、あなたの瞬間すべてが、一生ものになると思います。
自分の写真を撮ったり飾ったり残していくことが、もっともっと当たり前な世の中になればいいなと思い、いとう写真館の活動を続けています。例えば美容院みたいに、どこの街にも写真館があって、ふらりと入っては今日の一枚を写真に残したり、カラーやったり、デジタルやったり、写真館ごとにいろんな違いを楽しめたり。
それこそ自分にぴったりの、「行きつけの写真館」なんて言葉が使われるぐらいにまでなれば、おもろいやろうな、と思うんです。そんな世の中はきっと今よりも、自分、いいぞー!って言いやすい、ひとを大事にできる世界やと思うんです。百年先か、二百年先か、そんなおもろい世の中を実現するために、これからもいとう写真館の活動は続きます。皆さん、よろしくね。
ー伊東俊介