かたやまけん さく

男の子の遊ぶ力強さに満ちあふれた絵本。動物たちとどんどん同化していくような感覚を覚えます。この物語の制作秘話を聞いたことがあります。片山健さんが「今描くならこう書き換える」とおっしゃって、話し出した物語が忘れられません。物語はまだ続いているんだなぁって、その時に思ったのでした。 かたやまけん

コッコさんがお昼寝から目を覚ますと、家に誰もいませんでした。どこを探しても誰もいないのです。そういう体験はありますか？小さな不安が少しずつ大きくなって、いてもたってもいられなくなるんですよね。そして家の外の虫たちや風の動き。時間の〈間〉をとても感じる絵本です。 片山健 さく・え

電車に乗ってトンネルをくぐります。トンネルを抜けると、みんな姿が変わってしまいます。変身とも違って、新しい自分に気が付く、みたいな絵本なのですが、なんというか、じわじわくるんですよ。おもしろさが。 片山健 さく・え

どんぐりの実がよくなる「なりどし」と、あまりならない「ふなりどし」があるそう。それはどうしてでしょう？この絵本の解釈を見てみてくださいね。何事も取り過ぎてはいけないし、与え過ぎてもいけないですものね。今年も木々たちは会議をしているのでしょうか。 こうやすすむ 文 / 片山健 絵

歩き始めた頃のことを思い出してくださいな。ヨタヨタと前に進んだり、そうそう、怖いんんだけど後ろ向きに歩いてみたくなる。遊びながら挑戦を繰り返して、だんだん歩けるようになるんだね。 片山健 作

月夜の散歩、していますか？いつもと同じ場所でも、全然違うふうに感じたり、新しい出会いがあるかもしれません。アリソン・アトリーと片山健さんの組み合わせがすてきな作品。お月見散歩がいいかもしれませんねぇ。 アリソン・アトリー / 矢川澄子 訳 / 片山健 絵

あなたはひとりぼっちの時に、おばけに追いかけられたことありますか？ 僕はあります。薄暗い森の中で、必死に走って逃げます。逃げても逃げても後ろからおばけがついてくる。ようやく振り切ったと思ったら、別のおばけがやってきて、しまいには、たくさんのおばけたちに囲まれてしまいました。僕は怖くて怖くて、足がすくんでとうとう転んでしまいました。本気で走っていたから、膝を思いっきり擦りむいちゃって痛くて声も出ない。もうどうしようもなくて、目をつむってじっとしているしかできなかったんです。足がジンジンして、心臓もドキドキして、何にも考えらなくなっちゃったの。それで、しばらくじっとしていたら、辺りがとても静かになったので、そっと目を開けてみると、もう何もいませんでした。今となっては、怖さのあまり森の中の影とか枝がおばけに見えてしまったのか、それとも、本当に追いかけられたのかわかりません。 かたやまけん さく・え