ずっと願い続けていることはありますか？ 5歳の息子が「サンタクロースって、（手を組みながら）こうやってお願いすると、ぼくのほしいものがわかって、届けてくれるの？」と聞いてきました。その時に思い出したのが、この絵本に出てくるしろいうさぎの言葉。 願いって一時的な思いではなくて、ず ーっと心に潜んでいる変わることのない「何か」です。願い続けていないと、自分でも何を願っていたのかわからなくなり、違うものでごまかしたりします。君の心に、ふとした時に浮かび上がってくる願いは、とても大切なもの。どんなに些細に思えることでも、それを自分で打ち消したりしないで願い続けてほしいで す。そこに、自分の本当の願いが隠れているかもしれないから。「ねえ、そのこと もっといっしょうけんめい ねがってごらんなさいよ」。願いを叶えるためには、まずは願うことから始めます。息子の願いが叶いますように。 ぼくのささやかな願いです。 ガース・ウイリアムズ ぶん・え / まつおかきょうこ やく

宝くじが当たった長屋の住人たちの物語。僕は「遊ぶこと」と「生きること」は、ほぼ同義語だと思っています。一方、趣味や道楽と「遊ぶこと」は、似て非なるものなのではないかと。チャールズ・キーピングの絵本はどれも好きなのですが、復刊したこの本はいつも手元に置いておきたい一冊。遊びの先には「よく生きる」ってことが隠されている気がしています。 チャールズ・キーピング 作 / ふしみみさを 訳

死んでほしくない大切な命が、とても理不尽な理由で死んでしまうことがあります。どんなに死なないでほしいと願っても、叶わないことがあります。とても悲しいし悔しいけど、自分の力ではどうにもできないこともあるんだ。モンゴルに伝わる楽器、馬頭琴の由来。少年と馬のお話。 大塚勇三 再話 / 赤羽末吉 画

お父さんとお母さんは王様とおきさき様。私を立派なお姫様に育てようと必死で、少しも私のことを見てくれません。なんてひどい！だから名付け親の妖精さんに手紙を書いたの。そしたらワニが贈られてきたのよ。 ローラ・エイミー・シュリッツ さく / ブライアン・フロッカ え / 中野怜奈 やく

スズキコージさん節全開！ページをめくるごとに、きゅうりさんが出会う動物たちが身につけていたものを装備して、強そうになっていくきゅうりさん。そして最後は……。うーん、きゅうりさんの人柄（？）が気になります。 スズキコージ

黒馬のブランキーは、主人のために一生懸命働いても、ひどい扱いを受けていました。やがて年とったブランキーは、主人に力いっぱいたたかれて、道に倒れてしまいます。その晩、サンタクロースが天からおりてきて……。自分の祈りがどう叶うのか、想像したことはありますか？あなたがもしブランキーだったら、どうだろう？祈りっていうのは、自分が思いもよらない方法で叶えられたりするのかもしれない。 伊東三郎 再話 / 堀内誠一 画

弟が生まれて、なっちゃんはお姉さんになりました。お母さんは赤ちゃんのお世話で忙しいので、いつもなっちゃんの要求に応えてあげるという訳にはいかなくなりました。そこで、なっちゃんはいろんなことを自分ひとりでやってみることにしました。願いを叶えるコツが描かれている一冊。願いは急に叶うものではないし、何事も少しずつできるようになる。それに物事はちょっとずつ動いていく。「ちょっとだけ」は賢い方法なのかもしれません。 瀧村有子 さく / 鈴木永子 え

僕が「お父さん」になったのは、ほんの数年前のこと。どうやってお父さんになったかって？（……少し考えてみて）例えば、お父さんになるためのテストに合格したから……ではありません。お父さんになるために絶対に必要なこと。さて、何でしょう？ そう、「こども」です！ こどもがいないと、お父さんやお母さんにはなれません。ぼくがお父さんになれたのは、かわいいこどもが生まれてきてくれたから。こどもたちの存在が、大人をお父さんやお母さんにしてくれるんですね。息子が生まれた日は、僕がお父さんになった記念日でもあります。お父さんって大変なんだけど、嬉しいなぁと思うことの方が多いんです。この絵本は、なかなか生まれてこないあやちゃんのお話。君は自分が生まれた日のことを聞いたことがありますか？ お父さん、お母さん、こどもに生まれた日のことを伝えたことがありますか？ こどもにとって、自分の一番最初の物語は生まれてきたときのことかもしれません。親も子も生命を賭けて体験した家族の物語。あなたが生まれてくるのを待っていたんだよ！ 浜田桂子さく・え