Tara Books(タラブックス)の始まりは1995年。児童書専門の出版社として南インドの街・チェンナイでスタートしました。創設者のギータ・ウォルフはインドで育ち、修士課程でドイツへ留学し比較文学を学び、その後10年間を海外で過ごし、家族と共に1987年にインドへ帰ってきました。ビジネスパートナーのV・ギータはチェンナイ生まれのチェンナイ育ち。編集者でありながら、作家、歴史家、さらにはこどもの教育や女性の地位向上に関わる活動家でもあります。インドのこどもたちに読ませたい、インドのこどもたちのための本。こどもたちに純粋な読書の喜びを与えられる本、インドだからこそできる本。そんなテーマを持って、本づくりの職人たちと日々つくり続けています。
Tara Books
南インドの小さな本作り集団、タラブックス
美しいハンドメイド絵本
ハンドメイド絵本とは一体どういうものなのでしょうか。まず、絵本に使われている紙が手製で原料は布。南インドの製紙工房にて、不要となった大量の木綿の端切れを水と一緒に細かく攪拌して、液状になったものを漉いて紙にしています。そして作られた紙は、チェンナイ郊外の小さな工房に運ばれ、熟練した職人たちによって一枚一枚印刷台にセットされ、手で刷られます(シルクスクリーン印刷)。さらには、製本をすべて手作業で仕上げています。
紙の上にのる重みのある線とインク、シルクスクリーンで刷られた独特の色合い。そして開くたびに香る異国情緒溢れるインクの匂い。日本から遥か遠い国で、丁寧につくられた本が、日本にあるということに不思議な嬉しさを感じます。