工藤和彦 ごはん茶碗展

2021.8.31.Tue ー 9.25.Sat

D&DEPARTMENTで陶芸家・工藤和彦さんのごはん茶碗展を開催します

工藤和彦 ごはん茶碗展
2021年8月31日(火)ー9月25日(土)
作家在廊日:9月3日(金)、4日(土)
D&DEPARTMENT 庭ビル1階

北海道の自然が生み出した器

工藤さんが暮らすのは、旭川市街から離れた山の中。木々に囲まれた細い坂道の先に、アトリエ兼ギャラリーの「ウラヤマクラシテル」があります。温泉旅館だった建物をほとんど自らの手でリノベーションしている工藤さん。私たちが訪れた時は「外でお茶を楽しもうと思って」と裏の傾斜地をユンボで均していました。本当になんでも自分でやってしまう……しかも軽やかに。きっと工藤さんご自身が楽しんでいるからなんでしょうね。

そんな工藤さんは、器に使う粘土や釉薬(器の表面を覆うガラス質部分)も自分の手で用意しています。粘土は、旭川から約50km離れた剣淵町のものを、自然への感謝を忘れないようにとシャベルで手掘りしています。釉薬は、白樺など地元の木材を1年かけて乾燥させ薪ストーブに使用し、そこで出る灰からつくっています。さらに、オホーツク沿岸にある町・渚滑で採取した石を砕いてつくった釉薬もできたんだとか。「鉄を少し垂らしたりして、色々試しているんですよ」と楽しそうに話してくれた工藤さん。好奇心、探究心が本当に旺盛で、話を聞いているだけで私たちも楽しくなってしまいました。

 

今回のイベントは新米が収穫される時期。せっかくなら北海道のお米を、北海道の土でできた器で楽しんでもらいたいと、ごはん茶碗をご紹介することにしました。茶碗といってもその人の手に馴染むサイズや素材、柄は様々。一つひとつ手に取って、これだ!という茶碗を見つけてくださいね。

工藤和彦(くどうかずひこ)

1970年、神奈川県生まれ。工業高校のデザイン科在学中に陶芸の魅力を知る。卒業後の1988年から信楽焼作家の神山清子に師事。1993年北海道に移住し、北海道北部の粘土を使った制作を始める。2002年に旭川市に移住、その後温泉旅館の建築を自らリノベーションし、2017年に工房兼ギャラリーの「ウラヤマクラシテル」を創設。北海道の土と釉薬にこだわり、北海道でしかできない作陶とは何かを追求している。