ホフマンのこの一冊は、やはり傑作。こどもの頃、いつも不安と戦っていた気がします。わからないことも多いし、どうすればいいかわからないことばかりだったので。そんな気持ちに応えてくれる一冊です。 フェリクス・ホフマン え / せたていじ やく

グッドウィンは真っ白な雄のやぎ。どこにでもいるやぎですが、飼い主のマックダフさんも知らない秘密がありました。そしてその秘密がひと騒動に……。ちなみに、作者の実体験からこの絵本が生まれたんですって。 ドン・フリーマン さく / こみやゆう やく

真っ白な雪がすっかり消えて、とうとう虫たちが動き出しました。春です。どこもかしこも雪に覆われてしまう北国で、虫たちはどこに隠れていたのでしょう。桜も咲きました。てんとうむしは桜の花びらに乗って、森のみんなに春を伝えにいくことにしました。だって、植物たちが動き出したら虫たちの仕事が始まりますものね。地面からもぐんぐん芽が吹き出してきます。きくちちきさんの絵本は、柔らかい生命力に満ちています。 きくちちき

増田純子 作

ヌプとカナは生まれてからお母さんと幸せに過ごし、ある時、人間との出会いによって変わってしまう姿が描かれます。お互いのことを理解し、尊重できなければ、失われてしまうものがたくさんあります。 あかしのぶこ さく・え

クマを切望するような深い愛情と、決して一体にはなれない切なさが、ひしひしと伝わってきます。人間もどんな動物も、同じ地球上に生きていることって、知っているけれど、実感できる人はとても少ない。 たくさんのふしぎ傑作集星野道夫 文・写真

トルストイ再話によるこの絵本は、名前や服装などからロシアの生活が垣間見えます。女の子の自由奔放さとクマたちの掛け合いが小気味いい。ヒグマが多く生息するロシア。このクマたちもヒグマかな。 トルストイ / バスネツォフ え / おがさわらとよき やく

アイヌのクマ送りの儀式、イオマンテを題材にした絵本。イオマンテは、大切に育てた子グマを神の国に送る、つまり屠殺するのですが、そこには自然への深い感謝があります。一人のアイヌの男の人から語られる、骨太な物語です。 寮美千子 文 / 小林敏也 画