言葉にしないとわからないことってあります。でも、言葉にしなくてもわかってしまうことがある。視線や表情、仕草や態度で大体のことは伝わっているんじゃないかなー。いいことも悪いことも。自分の気持ちに嘘をついている人のこともなぜだかわかってしまいます。ぼくたちは、多くのことを言葉を使わずに対話しています。幼い人たちは、毎日わからない言葉に囲まれていますけど、気持ちを感じて、通じ合うことができる。彼らは、身近な親しい大人たちからの愛情がないと生きることができません。 マリー・ホール・エッツ ぶん・え / ふなざきやすこ やく

子守唄を歌いながら、こどもたちと散歩をしているダンゴムシのお父さんの話。のんびりしているけど、こどもが危ない時はキリッとかっこいい。ダディダンダンと陽気な歌を歌いながら、散歩に出かけよう。 おのりえん 作 / 沢野ひとし 絵

ある日、大好きなじぃじが心臓発作で死んでしまいます。ところがその夜、おばけになって戻ってきたのです。どうやら何か忘れものをしてしまったかららしい。男の子とじぃじは、忘れものを探し回ります。……皆さんは、おじいちゃんがおばけになったわけ、わかりますか？ キム・フォップス・オーカソン 文 / エヴァ・エリクソン 絵 / 菱木晃子 訳

小さな種がお話を始めたら、どんなに楽しいでしょう。僕は一日中いろんな植物のお話を聞きに歩き回るだろうなぁ。彼らは言葉を持ちませんが、光や温度や日の長さなどを感じる能力は桁外れ。 一体どんなふうに感じているのでしょうねぇ。感情もあるだろうなぁ。植物と長い時間を過ごす甲斐信枝さん。 甲斐さんには植物の気持ちがわかっている気がするんですよね。この本を読むと、のえんどうが愛おしくなり、つい探してしまいます。 甲斐信枝 さく

「ふゆのおわり、ゆきがとけて、とりたちがもどってきたら、それは、はるのはじまりよ。」 小さな男の子の素朴な質問に対するお母さんの答えは温かい。この世のすべてのものは終わるのではなく、違う場所で違う形で始まっていることを伝えます。よい質問はよい旅に連れていってくれます。 シャーロット・ゾロトウ さく / ハワード・ノッツ え / まつおかきょうこ やく

 ドイツの週刊誌に連載されていた人気漫画が、 岩波少年文庫から2018年7月に再販されました。 ドイツはナチス政権時代。作者のエーリヒ・オー ザーは妻に、「どうか、クリスチアン（一人息子） を人間に育ててくれ。」と遺書に託しました。この漫画には人間らしいユーモアがあります。  e.o.プラウエン 作

アイヌの少年と、兄弟のように育ったクマのキムルンの物語。アイヌにとってクマは神。そして神の国に送り返すのがアイヌの役目。彼らの動植物への感覚は、私にはないですが、わかってみたいと思うのです。 あべ弘士

かものマラードさんとマラードおくさん。ふたりはこどもたちを安心して育てられるところを探していまし た。なかなかいい場所が見つかりません。マラードおくさんは、キツネやカメがいたりするところで、こどもを育てるのはいやでした。それに、車や自転車が走り回ってるところもね。安心がたっぷりないと、こどもたちを育てるのは大変だと知っていたからです。マラード夫婦は、ようやくぴったりな場所を見つけ、やがて8羽のこがもが生まれたのでした。それにしても8羽もいっぺんに育てられるマラードおくさんってすごい！僕はこのお話に出てくるマイケルさんが好きです。だって、とても「親切な心」を持っているんですもの。 マイケルさんが近くにいてくれると、それだけでとっても安心な気持ちになります。安心って、親切で優しい気持ちから生まれてくるのかもしれませんね。 ロバート・マックロスキー ぶんとえ / わたなべしげお やく