五味太郎さんの優しい絵と、物や動物に語りかける言葉が1ページごとに描かれています。その言葉は命令口調なのですが、どこか心地よく何度も繰り返し読みたくなります。騒がしさから少し離れて、静かにこの絵本の世界を楽しんでみてください。 五味太郎

刺繍でつくられた、繊細な美しいクリスマス絵本。ひとりのこどものために心を注いでプレゼントを届けるサンタさんの姿に、心がじんわり温かくなります。 長尾玲子 さく

トナカイも、クリスマスに備えて、空飛ぶソリを引っ張る練習をするんです。エルフの女の子ティーカがその役目をサンタさんから任されました。クリスマスイブまでにその訓練 は間に合うのかな？ 空の上を飛ぶってどんな気分なんでしょうね。 ジャン・ブレット 作・絵 / さいごうようこ 訳

クリスマスは世界中でお祝いされる一番大きなお祭りです。でも知らないこともいっぱい。サンタクロースっていったいどんな人？ クリスマスにはどうしてケーキを食べるの？ 初めて知るクリスマスがたくさんあります。 角野栄子 さく

サンタクロースはいると思いますか？ 8才の女の子の質問に、ニューヨーク・サン新聞の記者が社説で答えました。見えるものを信じること。それにもまして、見えないものを信じるってとても大切です。 ニューヨーク・サン新聞

楽しいことで頭がいっぱいのこどもたち。クリスマスイブの真夜中に、そっと布団を抜け出し、音を立てないように階段を降り……。しーんとした部屋の中、輝くクリスマスツリー。こどもたちのドキドキ、ワクワクが伝わってきます。 マーガレット・W・ブラウン ぶん / ベニ・モントレソール え / やがわすみこ やく

『指輪物語』を書いたイギリスの偉大な作家トールキン。彼の家には4人のこどもがいて、トールキン一家のこどもたちには、なんと毎年サンタクロースから手紙が届いていました。その手紙をまとめたのが、この本です。最初に手紙が届いたのは1920年。そこから20年以上も手紙が届いていたんだっていうから、羨ましいなぁ。サンタのいろんなことを知ることができるしね。こどもの頃はプレゼントをもらうだけで、サンタがどんな人なのか考えたことがありませんでした。 J.R.R.トールキン / ベイリー・トールキン 編 / せたていじ やく

クリスマスの朝、食べ物も貯金も、すべてなくなってしまった。そして、大切なものを手放して手に入れたなけなしの現金も、心無い人にかすめ取られてしまう。生きるための望みをすべて失ってしまったおばあさん。彼女にできる残されたことは、必要なものが与えられるように 〈願う / 祈る〉ことだけ。どんなに努力をしても、自分の力だけではどうすることもできないことがあります。でも、願いと祈りは自分がやめないかぎり、誰にも奪われることはない。この絵本、文字がひとことも書かれていないけれど、ゆっくりと確かな言葉で語りかけてくれるんです。文字がないのに語りかけてくるって不思議ですよね。そういう力のある絵本に出会えるとうれしくなりま す。こういう絵本には、「生きることの喜び」が語られています。少し難しく言うと、〈生きることへの素朴な肯定と願い〉 が込められている。君たちの周りにある絵本や物語の中には、そういうものがありますか？ これはとても大切なことです。 ピーター・コリントン