ローゼンウィンケルのそよ風マフラー受注会

去年庭ビルで開催された手織り工房ローゼンウィンケルのマフラーの受注会が今年も開催されます。残念なことにこの秋、25年間続いたローゼンウィンケルの工房が閉鎖されることになりました。既にそよ風マフラーを含むほとんどの製品の製作が終了しています。今回はローゼンウィンケルジャパンの貴重な在庫の受注会です。限定品や、その場で購入できる商品もご用意しています。使い続けたくなるお気に入りのマフラーをみつけてください。

ローゼンウィンケルそよ風マフラー受注会
期間:2018年9月1日(土)ー9月29日(土)
場所:庭ギャラリー

※イベントは終了いたしました。

 

手織り工房ローゼンウィンケルの物語

 

1992年、ドイツ中部のゲッティンゲン郊外の小さな村のアトリエで、ローゼンウィンケル は生まれました。周りは見渡す限りの畑ばかり、7月頃には実りを迎えた黄金色の麦が一面にたなびく美しい光景が広がります。

ローゼンウィンケル の創立者はレーナ・ブッツ。ドイツには工業化の波がやってきて、大量に生み出されて大量に消費する社会になり、昔ながらの「ものづくり」の技術もその波にのまれ廃れていきました。「機織り」もその内の一つ。レーナさんが機織りの技術が失われていくことを危惧し、1992年に自分の庭に小さな工房を建てて機織りを始めたのがローゼンウィンケルの始まりです。ローゼンウィンケル とは「バラのある庭」という意味。彼女が工房を開いた庭にはきれいなバラが咲いていたからです。レーナさんはすでに引退しましたが、彼女の想いに共感した仲間が工房を引き継ぎ制作を続けてきました。

 

ローゼンウィンケル 工房を代表するそよ風マフラー(Hauchschal)は20年以上前から手作業で作り続けられています。このマフラーを生み出したのは工房の立ち上げ当初からのテキスタイルデザイナー、クリスティーナ・ケラー。クラシックなものに留まらず、現代的で飽きのこないマフラーにしたい。そんな彼女の強い気持ちが込められたマフラーは完成までに3年近い月日を要したそうです。

そよ風マフラーの素材は羊毛と木綿糸です。色鮮やかなマフラーは織り上げてから職人たちが丁寧に染め上げているので、織っているときは真っ白な状態です。そよ風マフラーは最初に縦糸(羊毛)をかけ、その後に横糸(木綿糸)が間隔を開けて織られていきます。その後に羊毛が縮み、そよ風マフラーの独特な模様を作り上げているのです。横糸を通す絶妙な間隔は羊毛の縮む率を緻密に計算して辿り着いたのです。高度な技術が必要とされるため、工房でも織れる人は限られているそう。昔ながらの織り機を使い、丁寧に織り上げられたそよ風マフラーはとても軽く、巻いてみるとその暖かさに驚きます。北海道では夏以外の春秋冬とずっとつけていられる優しい暖かさです。

 

25年間もの間、素晴らしいマフラーを生み出し続けてきましたが、今年の秋、工房で働く人たちの老齢化などからローゼンウィンケル工房の閉鎖が決まりました。庭ビルで行われる最後の受注会。会期中に是非一度お立ち寄りください。

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