満月をまって

満月をまって

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誰に信じてほしい?

満月になるとお父さんは街に出かける。自分が作った籠を売りにいくんだ。ここは山奥で歩いていくから帰りには満月の月明かりが必要なのさ。お父さんは森の木を使って籠を作ってる。いつまでたってもこわれない籠。
お父さんには、風や木の声が聞こえるんだって。友達のビック・ジョーは「風に、かごを作ることを教えてもらった」って言ってた。風や木は、誰が信用できるかちゃんと見ていて、そういう人に話しかけてくるんだってさ。
風の言葉を聞いて、音楽をつくったり、詩を紡いだりする人もいる。僕はまだ風や木の声を聞いたことがないんだ。僕は、風や木に選ばれる人になりたいと思う。街に籠を売りに行くと、僕らをバカにする連中がいる。街の言葉を知らないからね。でもさ、人のことをバカにする連中の言葉を気にしたってどうしようもない。街の言葉よりも、僕は森の中に溢れている言葉が聞けるようになりたいんだ。

満月をまって
メアリー・リン・レイ・ぶん / バーバラ・クーニー・え / 掛川恭子・やく
あすなろ書房 / 2000年発行