月刊絵本2020年5月号のご紹介


こどものとも0.1.2.『あ、むしさん』
みやまつともみ さく
福音館書店 / 2020.05

今年の春は、少し早くやってきそうです。ちょうちょたちは、いつ頃から飛びはじめるのでしょう。乳児は新鮮な感性で季節と出会います。飛んだり丸まったり、うねうね動いていたりする小さな虫たち。立ち止まってじっくり出会わせてください。大人にとっては、馴染みのある虫たちでも、こどもたちにとっては、また全然違うふうに虫たちと出会っています。家の前で、まったり日向ぼっこをしている間に、我が家のこどもたちは、ありを見つけたと騒いでいました。まだ少し早い気はするんですけど、どうやら本当に見たみたい。虫を見つけて喜ぶ感じは、とてもいいなぁと一緒にありを探したのですが、なかなか見つけられず。絵本で、虫たちとの出会いを楽しむ。そういう楽しみも絵本ならでは。

 

こどものとも年少版『どんな おしごと するのかな?』
小輪瀬護安 さく
福音館書店 / 2020.05

車が好きなこどもたち。また素敵な本ができました。君たちは、見るだけじゃなくて、車になってしまったり、乗り回して遊ぶのが好きでしょ。だから、働く車がどんなふうに仕事をしているのかもわかるようになっています。車が好きな男の子たちは、車と同じ目線になって、車で遊んでいたりします。車になりきることができるんだなぁ、なんて感心しますが、ぼくもそのうち、見てるだけじゃなくて、その楽しみ方を取り戻して、車になりきったおじさんになってみたいなと思ったり。やっぱり、はしご車ってかっこいいなぁ。ぐういぃぃぃーん。ぼぼぼぼっぼー。絵本は、こどもと気持ちを通じあわせたり、こどもの気持ちを発見することができるから、ぼくは好きです。

 

こどものとも年中向き『ビーズくん』
殿内真帆 さく
福音館書店 / 2020.05

主人公は、きいろいビーズくん。ビーズくんはあるとき、自分に空いている穴のことが気になりだしました。お父さんに聞いてみると「つながるためさ」と教えてくれました。ビーズくんは穴のあいた仲間を探しにいくことにします。答えを探しにね。殿内さんの作品は、絵本を隅々まで気になって見てしまいます。そして、平面と立体の表現が混ざり合う感じがとても秀逸。この絵本を読んだら、前作を含め、彼女の作品も一緒にこどもたちと楽しんでほしいなぁ。ぼくは、『とけいのあおくん』が好きです。『くびかざり』も面白かったなぁ。

 

こどものとも『ぼくのつり』
菅暸三 原案 / かんかおる 作
福音館書店 / 2020.05

ぼくは小さい頃、おじいちゃんとよく釣りにいっていました。朝、まっ暗いうちから起きて、石狩湾新港へ。投げ釣りだったり、チカみたいなサビキ仕掛けだったり。鮭釣りなんかもしたなぁ。川釣りもたくさんしました。この絵本も、埠頭での釣りがテーマになってます。釣りがしたことある人は、「わかるー!」となるはず。もし体験したことがなければ、どうにかして、朝一で釣りに出かける体験をしてほしいなぁ。ぼくは、息子と今年どこかで行く計画を立てることにしました。いや〜、本当にこの絵本とおんなじ体験してました。著者の父親が書き残した原案をもとに書き上げたこの作品は、なんだかとっても心が揺さぶられる強さがあります。絵本って、こどもに語りかける力強さがあると、きちんとこどもたちにも届くから不思議です。

 

ちいさなかがくのとも『ふくろうのこ おっこちた』
あかしのぶこ さく
福音館書店 / 2020.05

シマフクロウのお話です。道民にとっては、よく聞く馴染みのフクロウかもしれません。北海道とその周辺にしかいない世界最大級のフクロウなんですよ。ちいさなかがくのともは、身近にあるふしぎに気がつかせてくれるシリーズです。フクロウも子育てをし、卵から孵ったヒナが巣から初めて飛び立つ日があります。そんな雛の気持ちになってみると、シマフクロウの「気持ち」が少しわかった気になります。絵本は、そんな気持ちを物語と絵を通して、自分ひとりの空想を超えて、こどもと共有しながら、体験することができます。フクロウも襲われることがあるし、フクロウに襲われる生き物もたくさんいます。こどもたちの日々の成長のなかにも、いろいろな出来事がありますが、絵本はそのことにも改めて気がつかせてくれる魅力があります。

 

かがくのとも『すてきな ボタンシャツ』
五味太郎
福音館書店 / 2020.05

ボタンがあると押したくなる。これは、あるから押したくなるというどうしようもないことのように思ったりもします。「押しちゃダメ!」なんていう方が難しいことだな、と大人もわかっているけど、こどもにむやみやたらに押されちゃ困るのも事実。保育園や幼稚園の入り口にあるドアの開閉ボタンなんか、まさにそうですよね。こどもたちも、押したいけど押しちゃいけないボタンだと思って、グッと我慢してたりするものです。押してもいいボタンがあったら押したいし、押したら起こること(ドアが開いたり、ジュースが出てきたり、切符が出てきたり)は自分で空想の中で自由に決めてしまうってことでもいいから、ともかく、ボタンを押すってことにワクワクしてたりするものです。見ちゃいけないものを見ちゃう衝動と同じ。そんな、こどもたちの願いを叶えてくれる一冊です。五味さんの目の付け所はやっぱりこどもを見ているなぁ。

 

たくさんのふしぎ『ポリネシア大陸』
野村哲也 文・写真
福音館書店 / 2020.05

世界はとっても広いけど、思わぬところで共通点が見つかったりする。それが、どういうわけでそっくりなのかを考え始めると、この距離を移動できたんだろうか?交流があったのだろうか?それとも偶然なんだろうか?と、疑問がふつふつと湧いてきます。でも、大昔に空の星や海流を頼りに、簡易な船で海へ漕ぎ出した人たちがいたことは確かなことです。船を漕ぎだす時には、どんな気持ちだったのか考えちゃうんですよね。一冊読むだけで、たっぷり旅をした気分になりました。

 

母の友 特集「もう休もう 眠りと夢の大事な役割」
福音館書店 / 2020.05

5月号も興味深い連載が満載で、面白いなぁと眺めています。これからじっくり読むところ。知人が連載に登場していたり、今月も読み応えがたっぷりです。

 

 

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