月刊絵本2020年3月号のご紹介


こどものとも0.1.2.『だいじ だいじ』
くれたにゆき 文 / ささめやゆき 絵
福音館書店 / 2020.03

りすさんが大事にしているものは「まあるいどんぐり」。りすさんはどんぐりをほっぺにしまいます。だいじだいじですからね。いろんな動物たちの大事なものが登場しながら、お話が進んでいきます。この絵本を読みながら、こどもといっしょに「大事にする」という気持ちを使いました。誰かが大事にしているものであっても、大事にしていた様子を知っているだけで、そのものを無下にはできなくなってしまいます。大事っていう気持ちは、人を傷つけない心遣いにつながっているのかもしれません。あかちゃん絵本で、おかあさんがとっても大事にしている赤ちゃんに向かって、「だいじだいじ」と語りかけながら、絵本を楽しめるっていうのは、考えるだけでも嬉しくなります。乳児にとっても、とても心地よい言葉を語りかけられる時間でしょう。日々の忙しさを少しだけ脇に追いやって、こどもと一緒にゆったりと味わってください。

 

こどものとも年少版『ブルブルさん やまへいく』
平山暉彦 作
福音館書店 / 2020.03

80年以上前にイギリスでつくられたMG・ミジェット。ぼくは、車はいまのところあまり興味がなくて、かっこいい車だなあというくらいなのですが、クルマ好きに聞くと、絵を見ただけでMG・ミジェットだと言い当ててました。車体の形や線なんかをみて、年代や背景までわかるんですよね。わかると面白そうです。クルマ好きにも見分けがつくくらいしっかり描かれている車。坂道でオーバーヒートするのも、この車ならではのようです。さっそくMG・ミジェットになったつもりで、ブルブル、ブンブンご機嫌に言いながら読みました。景色がきれいで、車もかっこいい。ドライブの途中で豚の群に遭遇したり、深い霧の中を走ったり。目的地は山の頂上。そこでお弁当を食べるのです。車の調子も伺いながら、さあ、みんなでドライブにでかけましょう。ブルブルブルブル……。

 

こどものとも年中向き『じゃがいものんたの わすれんぼう』
つるたようこ さく
福音館書店 / 2020.03

じゃがいもののんたは、お母さんにお使いを頼まれて、カゴを持ってお出かけにいきます。お使いを忘れないように気をつけているんですけど、いいにおいがしてくるとすっかりお使いのことをわすれて、においのする方へふらふらと。そのまま夢中になってしまうのでした。そして、つぎからつぎへと、興味の赴くままに1日を過ごします。ようやくお使いを思い出して、あわてて用を足して家へと向かうのでした。 目の前に起こることに、心で反応するとそういう1日になってしまうのかもしれませんね。自分の計画していた1日を過ごすためには、いろいろ飛び込んでくる出来事や興味関心を見ないようにしたり、後回しにしたりしないといけませんものね。でも、こどもはじゃがいものんたとおんなじ、自分の心と気持ちをたっぷり使う1日を過ごせるといいのでしょう。家で待ってるお母さんは、心配そうですけどね。

 

こどものとも『ちいさなふたりの いえさがし』
たかおゆうこ さく
福音館書店 / 2020.03

3月はお引越しの人もいるかもしれませんね。みなさんの家の近くにおおきなおおきなくるみの木はありませんか?そのくるみの木の下に、小さなくるみが落ちていたら、もしかしたら、そのくるみの中には、ちいさなふたりが住んでいるかもしれません。ある日、彼らが住んでいたくるみが壊れてしまい、新しい家を探して荷物を持って旅にでることにしました。ちいさいふたりですから、いちごに住んでみたり、すいかに住んでみたり、りんごに住んでみたり。でも、なかなかくるみのような住み心地の家はみつかりません。住み心地のよい家をみつけられるのでしょうか?ふたりは、とても前向きで仲良しです。どこに住んでいようともふたり一緒にいられたら幸せそう。でも、心地よい住まいが見つかったら、もっと幸せになれるのかもしれませんね。

 

ちいさなかがくのとも『うみの いいもの たからもの』
大崎清夏 ぶん / 山口マオ え
福音館書店 / 2020.03

3月号に海!北海道だと寒くて近づきたくもないかもしれませんね。わにわにシリーズの山口マオさんのいつもと違うタッチの絵が新鮮です。別の本に登場する犬のあむが散歩してたりします。さて、絵本は出会ったことのないものに出会う初めの機会になることが多くあります。遠い国のお話だったり、まだ見たことのない街並みや景色、動植物だったりします。北海道では、体験できないようなことも、絵本だと体験できますからね。せっかくですから、寒いけど、海辺を歩いてみると新しい発見があるかもしれません。風が冷たい冬の海だって、夏にはない違う様子があるのかもしれません。 

 

かがくのとも『せがのびる』
やぎゅうげんいちろう さく
福音館書店 / 2020.03

やぎゅうげんいちろうさんのからだの本のシリーズが好きです。落書きみたいな絵と文字なんですけど、するする読んでしまうのです。デザインされていないようで、細かなデザインがされているようです。思考の流れが巧みなのもあると思いますね。絵本は、こどもの頭の中でするすると流れる言葉や音、絵や物語が心地いいと手にとってしまいます。僕が小さいころは、背が伸びることって、楽しみでした。身体測定とか柱に鉛筆で印つけたり、計るたびに少しずつ伸びているから、よけいに楽しいんですよね。いまは、もう伸びることがないから計りもしません。どこかで背が伸びなくなるなんて、こどもの頃には考えていませんでした。やぎゅうさんの絵本は、いつもすごい近い距離で語りかけてくるから、読む方も楽しいです。背がどんどん大きくなる君たちへ、背を伸ばすコツも書かれてますよ。

 

たくさんのふしぎ『線と管のない家』
森枝卓士 文・写真 / 吉田全作 写真 / 中村好文 絵
福音館書店 / 2020.03

この本を読んで、はじめて家を建ててみたいと思いました。うーん、衝撃的です。オフグリットとかエコだとかそういうことじゃなくて、人間が住む、生きるということと向き合っている家のことが好きになりました。そして、中村好文さんの設計が美しいこと!これは是非手に入れてほしい一冊です。

 

母の友 特集「子どもとクルマ」
福音館書店 / 2020.03

息子が来年1年生になります。車のことってなかなか難しい。大人でもぼーっとしてると危ないのに、小学1年生が車のことをどう理解しているのでしょうか?そもそも、こどもの視野が狭いってことにハッとさせられたり、安全は大人がしっかりつくってあげないと、と意気込んだりしました。春がやってきますね。

 

 

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