月刊絵本2020年2月号のご紹介


こどものとも0.1.2『ころろん ころろん』
福知伸夫 さく
福音館書店 / 2020.02

2歳の娘と絵本を読むと、さっそく布団の上で、「ころろんころろん」と転がっておりました。絵本でみていることを、すぐにやってみたくなる。赤ちゃん絵本の魅力の一つでしょう。それくらいはっきりと、赤ちゃんの遊びの姿が描かれているからかもしれません。描かれているものと自分の姿がすぐに重なる。そういう絵本はいい絵本だなと感じます。雪山からころころ転がって目を回しながらも、まわることが楽しかったなぁと幼少の頃をおもいだしたりしますが、布団の上で転がりながら、いろんなものを巻き付けたり、避けたりしながら絵本を読んで沸き起こった喜びや興味を、おとうさんやおかあさんと楽しむ。ただそれだけのことなのですが、こどもにとっては、この上ない喜びのようです。喜びを分かち合う、共感し合う、気持ちを通じ合わせる。人としてとても大切なことが絵本を通して味わえます。

 

こどものとも年少版『ぺんぺんいちざ』
石津ちひろ 作 / いぬんこ 画
福音館書店 / 2020.02

ぺんぺんいちざは、あちこちを旅してまわる一座です。ぺんきちの三味線に合わせて、一座のメンバーは芸を披露するのですが、その技の見事なこと。それぞれ、みんな得意なことを披露し合うのですが、自分の得意は探せばあるものです。ぺんきちの軽妙な節と言葉に合わせて、みんなが気分良く自分を表現していきます。自分を表現するって大人になるとなかなか難しくなってきます。色々周りのことを気にしたり、体裁みたいなものが頭をもたげてきます。でも、こどもたちは、自分をのびのび自由に表現できる仲間が必要です。家族だったり、友達だったり、クラスの仲間だったり。集団=社会の中で自分を表現できる。ぼくは苦手ですが、必要な力だなと思います。それには、幼少期の心地よい体験の積み重ねとぺんきちのようなおだてて、盛り上げてくれる誰かが必要なのかもしれませんね。さてさて、あなたは何を披露しますか?

 

こどものとも年中向き『まじょの すいぞくかん』
佐々木マキ
福音館書店 / 2020.02

もりのなかに、突如として現れたすいぞくかん。そのなかには、おかしな生き物たちがいたのでした。タイトルの通り、まじょが登場します。佐々木まきさんの作品は、好きなのですが、ユーモアの下に何が潜んでいるのか、いつも言葉にできません。これは、20年前に発行されたものの再販ですが、20年経っても古びた感じがせず、新鮮に楽しめてしまうのは、福音館書店の目指す、時代を越えて楽しまれる絵本づくりといういい仕事あってこそです。『まじょのかんずめ』も同じシリーズであります。まじょのとなえる魔法の呪文ですが、これは逆さまから読むと、別の言葉になりますよ。こどもたちと新しい呪文をどんどんつくってみてくださいね。

 

こどものとも『イナズマごうが やってきた』
小林豊 文・絵
福音館書店 / 20120.02

この絵本は、機関車が村にはじめてやってきた時のお話です。初めて、蒸気機関車の汽笛を聞いた時に、親子で飛び上がるくらい驚きました。それくらい大きな体に響く音でした。大きなおとで、とっても早くて、なかなか乗ることができない。そんな特別な存在の機関車イナズマ号。こどもたちが、あることをきっかけにイナズマ号に乗ることができました。初めてのる乗り物や出会う景色は、新鮮で強烈に印象に残ります。 大人にとっては、当たり前の日常でも、こどもにとっては初めての出来事っていう場合が、多々あることを思い出しました。大仏駅もイナズマ号も本当にあったんですって。

 

ちいさなかがくのとも『ふゆの ぺたんこぐさ』
くさはらかな さく
福音館書店 / 2020.02

北海道の冬は、地面が凍てついて、ほぼ雪で覆われてしまいます。関東に住んでいたころは年中地面がでていたので、草花の様子が通年で観察できました。今年の冬が少なくておかしな感じですが、この絵本は北海道では4月−5月に楽しむための予習ですかね。ロゼット型と呼ばれて、地面に花びらみたいに張り付いている野草たちがでてきます。花だとわかるかもしれませんが、草の状態だと何の植物か見分けがつかないかもしれません。この本を読むと、植物の一年の姿に気がつくきっかけになるでしょう。名前も面白いし、名も無い身近な草たちに目を止めると、見えなかった世界が広がって、お散歩もたのしくなるはず。ぼくも、もう少したくさん種類をおぼえたくなりました。ロゼットの野草がまとめられているWebもありました。http://midori.eco.coocan.jp/kimama/rozetto/rozetto.html

 

かがくのとも『でんしゃを はこぶ』
鈴木周作 さく
福音館書店 / 2020.02

道が空いている夜中にひっそりと運んでいるものって結構あるのかもしれませんね。この絵本は、電車をつくる工場から、完成した電車を線路の上まで運ぶ物語。工場から線路までは、電車を特別なタイヤの上に乗せて、車で引っ張っていきます。長いし、大きいので大変!絵本にならないと、そんなことも想像しないのですが、電車が生まれた瞬間のことを垣間見ることができるのは楽しいです。 かがくのともの付録は、裏面がポスターになっています。今回は、いろいろなトレーラーが描かれています。壁に張って眺めるだけでも面白い。道路の上を魚を入れたトレーラーがはしっていたり、電柱や車、土砂を運んだり。道路って本当にいろんなものが通っていくものです。

 

たくさんのふしぎ『極夜の探検』
角幡唯介 文 / 山村浩二 絵
福音館書店 / 2020.02

表紙が黒いのは、極夜、つまり太陽が昇らない時期の北極探検が描かれているから。本人の経験を元に描かれたドキュメンタリー絵本(こんな言葉あるのか?)。もう本当にドキドキが止まらなく、息をするのも忘れちゃうくらい。食い入るように読み入ってしまいました。それにしても、なぜ、極夜の北極へ旅にでようとしたのか。それは、作者は強烈な太陽に出会いたかったから。それで、暗闇の極夜へ探検に出かける、という冒険を選んだのでした。さて、出会いたかったものには、出会うことはできたのでしょうか。

 

母の友 特集「自分にやさしく 薬膳と東洋医学のおはなし」
福音館書店 / 2020.02

好きな絵本作家をひとりあげるとしたら、ぼくは堀内誠一さんと答えます。なんと! 今号には「堀内誠一の写真旅行」という企画があって、もう、ぼくはひとりで浮かれているのでした。そのページを何度も読み返しています。やっぱりいいな〜、堀内誠一さんは。

 

 

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