月刊絵本2020年1月号のご紹介


こどものとも0.1.2『ついておいで』
やすえりえ 文 / でくねいく 絵
福音館書店 / 2020.01

2歳の娘に、「おとうさん、ほらいくよ」とお散歩に誘われることがあります。一丁前なので、こちらが戸惑ってしまいますが、彼女自身にいつも僕が「いくよ」と誘っているのでしょう。この絵本は、「ついておいで」という呼びかけのあとに、こどもたちが楽しそうにそのあとを追いかけていくシーンが繰り返されています。大好きな人ややさしい人のあとには、ついていきたくなるものです。その気持ちを繰り返し体験できる1冊です。赤ちゃん絵本は、彼らがわかる、彼らの日常が描かれている本をお勧めします。何事もそうですが、わかることから始まって、そこから少しずつ世界は広がっていきます。絵本に出てくるものの中で、初めて出会うというものもあるでしょう。ですから、初めて出会う時に、どのように出会って欲しいかという願い、そして、見てわかるように描かれていることも大切です。そして、おだやかでやさしい関係がそこにあること。それが1番大切なことかもしれません。乳児にとっては、心地よい関わりが周りに必要です。

 

こどものとも年少版『てのひら いっぱい あったらいいな』
神泉薫 文 / 網中いづる 絵
福音館書店 / 2020.01

手のひらを器のようにして、なるべくいっぱい入るようにしてみてください。そこに手のひらいっぱいにあったらいいものを思い浮かべてみてくださいな。さてさて、何を思い浮かべましたか?先日、雪の日に我が家のこどもたちは手のひらに雪をいっぱいのせて「みてみて」とうれしそう。手のひらにのせるだけで、なんか嬉しいですよね。匂いもかげるし、近くで見えるしね。葉っぱやたべもの、おもちゃを思い浮かべた人もいるでしょうか?札束、宝石、宝くじなんて人もいるかもしれません。ちなみに、ぼくはいくらかな。同じ雪でも、その日によっていろんな感触や重さがあったりもします。見てるだけではなくて、手のひらに入れてみること。そうすると、わかることは数倍膨らみます。握りしめちゃうと見えなくなっちゃいますけどね。こどもたちと一緒にいろんなものを手のひらにのせて遊びたいなぁ。

 

こどものとも年中向き『かぜひき まんげつ』
ネジメショーイチ 文 / ロッカクアヤコ 絵
福音館書店 / 2020.01

この絵本は、あーちゃんがいつもより小さくしぼんでみえる満月を心配して、空に上っていって看病をするお話なのです。この絵本に惹きこまれて読み終わった後に、折り込み付録を読んでいたら、ねじめ正一さんは、「まんげつは、いつもまんげつじゃないと困る。月がちょっとでも欠けているのに気がつくと、あーちゃんの私は心配で心配で仕方なく、夜空の階段を上ったり、下りたりするのである。」という一文を読んで、ほんとにそうだなぁと思ったのです。こどもにとっては、おかあさんやおとうさんがそういう存在なのだろうと。いつも満ちていると、満ちていることに気がつかないんですけど、その人が元気がないと不安になるんですよね。『いっぱいいもうと』(2013年2月号年中向き)と同じコンビの1冊ですが、どこか不思議で、そしてなんか妙に納得しちゃう絵本です。絵本って面白い。

 

こどものとも『まわる おすしやさん』
藤重ヒカル 作
福音館書店 / 2020.01

言葉を聞いただけでは、わからないことって結構多いのかもしれません。『まわるおすしやさん』と聞いて、ぼくは回転寿司を思い浮かべるわけですが、猿たちは見たことがないので、どんなお店なのかわかりません。一体何がまわっているのか?猿たちは悩みながら試行錯誤を繰り返して、最終的には、お寿司がくるくる回るお店を作るのでした。こどもでも、大人でも言葉の指し示すものがわからないと、チンプンカンプンな想像をしてしまうことがありますよね。物語には、パロディや隠喩が含まれている場合があります。でも、そのモノや物語を知らないとそこに潜んでいる面白さがわからない。本当の回転寿司を知ってるから、面白かったりするんです。表紙に出てくる回すための道具を見て、こどもたちはそれが何を回すためのものかわかるのでしょうかねぇ。読む前に「皿回し」がでてくる絵本でも読んでおくと楽しみひとしおかもしれませんよ。

 

ちいさなかがくのとも『さかなを たべた あとの ほね』
加藤休ミ さく
福音館書店 / 2020.01

北海道釧路出身の加藤休ミさん。彼女の絵本は魚が描かれているものがたくさんあります。クレヨンで描いてるんですよ。美味しそう。この絵本は、魚と食べた後の骨が次々に登場します。いろんな絵本がありますね。いろんなお魚を食べた記憶がありますが、いま我が家の食卓では食べる魚の種類は決まってるかも。もう少し、いろいろな魚を食べるようにしようかな。さて、僕のようにこの絵本を読むと当然、魚のことに興味をもってしまうわけです。それと一緒に骨の研究をするのも面白いかもしれません。堀内誠一さんが描く『ほね』(福音館書店)という絵本なんかも面白いかもしれません。どんどん、絵本から絵本に広がっていきながら、興味や関心、わくわくすること、知りたいことが増えていくと楽しそう。月刊絵本のいいところは、幅広い興味関心の扉が毎月届くというところも魅力の1つです。

 

かがくのとも『でてきた でてきた はっぱの あかちゃん』
高柳芳恵 ぶん / 松江利恵 え
福音館書店 / 2020.01

北海道は冬に突入。1月、2月は厳冬期を迎えます。さむーい。そして、外は真っ白で美しくすべてが凍りつきます。そのなかでも、植物たちはじっと寒さのなかで生きています。春に芽吹くための準備をしっかりしている。『ふゆめがっしょうだん』(福音館書店)をご存知の方もいるでしょう。葉が落ちたあとに顔の模様がでてきて、冬芽が可愛らしく見えます。あの中に、はっぱのあかちゃんがいるのです。松江さんの水彩画がとても美しい。植物の柔らかさや美しさが伝わる魅力を持っています。植物たちは、自然の中で自然に身を任せて生きています。ぼくたち人間って、自然に立ち向かったり、コントロールしようとしたり、破壊したり、慈しんだり、保護したり……。こどもたちには、この自然とどのように出会い、どういう関係を築いていって欲しいのか。まずは、植物を身近に感じ、触れ合うことからでしょうか。

 

たくさんのふしぎ『南米アマゾン 土を食う動物たち』
山口大志 文・写真
福音館書店 / 2020.01

南米に「コルパ」と呼ばれる、動物たちが土を食べにくる場所があり、そこの観察記録です。いろんな動物たちが土を食べにやってきます。なんで土を食べるんでしょうね。土おいしいのでしょうか。なぜ、土を食べるのか、よくわからないんですって。

 

母の友 通巻800号記念特集「子どもと私たちの未来のために「母」を考える」
福音館書店 / 2020.01

1953年創刊で、1月号で通巻800号!どうやったら、そんなに長く続けることができるのでしょうね。通巻800号記念特集も大胆なテーマで、ページを開くとむわっと熱気を感じるラインナップで、少し冷ましながら読みました。自分ではなかなか気がつけませんが、自分の中にある「母」や「父」のイメージがあるんですね。ぼくとしては、親であり、友であることができると嬉しいのです。考えてみると、「理想の父親像」はあまりないですね。年末にじっくり読みたい充実の内容ですよ。

 

 

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