月刊絵本2019年7月号のご紹介


こどものとも0.1.2『おっぱい どーこ?』
ほりかわりまこ・さく
福音館書店 / 2019.7

犬とおっぱい

赤ちゃんはおっぱいをのみます。おっぱいを一生懸命口で探す仕草をみてると、微笑ましいんですけど、当人は必死。焦らさないですぐに応えてあげたいものです。この絵本では、「おっぱい どーこ?」にいつも答えてくれるお母さんがいてくれます。こどもにとっては、それがうれしいだろうなぁ。食べて満たされることは、彼らにとって母親の愛情を受け取ることそのもの。そんなあかちゃんが満腹と満足の安心感のまま、眠りに落ちる様に見とれてしまいます。こどものとも0.1.2.は、赤ちゃんの身近な生活を、赤ちゃんと一緒に楽しむことで、お互いが喜びを共感したり、味わったりすることができるシリーズです。それにしても、7匹の子犬がでてくるので、いっぺんに7匹の授乳と子育てって、犬のお母さん大変ですね。

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こどものとも年少版『くびかざり
殿内真帆・さく
福音館書店 / 2019.7

くびかざりをつくろう!

みなさん、この絵本の可愛い首飾り。事務用の丸いシールを使って作られているのですって。読み進めていくと、丸いビーズが色んな形や模様になって、見とれてしまいます。丸をつなぎ合わせると、線にもなるし、絵も描ける。さあ、シールと色紙のご用意を。白ばかりではなく、絵本にでてくるような黒い画用紙があるだけでもワクワク感が違います。絵本を楽しんでから、何気なくどこかにシールをおいておくと、勘の良い人は気がつくかもしれませんね。できうるなら、教えてもらうよりも、自分で発見したことをたくさん増やしてあげたい。どうしても、教えることに熱心に、そして、せっかちになってしまう自分に反省。平面で遊んだら、立体に挑戦してみてください。ビーズの紐通しやプレイマイスを丸めて、糸でつなぎ合わせて使っても素敵です。拾ってきた花や木のみ、きれいな羽なんかがあっても面白そうですね。くびかざりを楽しみください。

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こどものとも年中向き『まどのむこうの くだもの なあに?』
荒井真紀・さく
福音館書店 / 2019.7

これは、面白い!

四角い窓がついた仕掛け絵本です。窓があるとなぜかそこを集中してみてしまいます。そのさきにあるのはくだものですよ。でも、一部しか見れないから、いつもみてるくだものの全体像とは全然違う風にみえてきます。文字は「まどのむこうのくだものなあに?」だけです。表紙から読み始めてもいいですし、裏表紙から読み始めても大丈夫。果物の外側を当てるパターンと、果物の中身を当てるパターンになっているので2回楽しめます。この絵本とおなじように画用紙を切り抜いて窓をつくって、お散歩がてら道端にある花に窓をあてて写真を撮ると、「まどのむこうのお花はなぁに?」がつくれます。その続編として、友達の鼻をまどに当てて、「まどのむこうのお鼻はだあれ?」なんていうのはいかがでしょうか? 窓があるから、不思議といつもの景色が違って見えるのがたのしい。写真のアングルとも似てますね。ワイワイガヤガヤいいながらお楽しみください。

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こどものとも『てんにんにょうぼう』
日本の昔話 / 長谷川摂子・再話 / 中井智子・絵
福音館書店 / 2019.7

てんにょとたなばた

昔話には、時代を超えて、口伝で語り伝えられてきたお話ですので、人を引き込む何かがあります。この物語は、天から天女が降りてきて、水浴びをしている間に、おとこが衣を隠してしまうところからはじります。美しい天女に強烈に惹かれてしまう恋心とその人の大切な衣を隠してしまうというずる賢さ。やがて、ふたりは夫婦になり子を育てます。昔話には、飾らない等身大の人の姿が描かれている気がします。決して教育的な美徳ではなく、普段の日常に潜む人間のことが生々しく。それをこどもに語りかける。それが昔話のすごいところ。久しぶりに、ドキドキする昔話に出会いました。長谷川摂子さんの文章に、中井さんの柔らかく美しい絵が圧倒的です。天女と男はその後どうなったか?地上での別れ、そして、天上での再会。そして、別離。七夕の物語って考えさせられるなぁ。

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ちいさなかがくのとも『ハンミョウの みちあんない』
廣野研一・さく
福音館書店 / 2019.7

虫に出会う

家の中に小さなアリが大量にでてきました。飼っている猫の餌に群がるんです。調べてみるとヒメアリというらしい。そのときから、アリの中でもこのアリはヒメアリだってわかるようになりました。名前がわかるとなんとなく、そのアリのことが少しわかった気になるから不思議です。普段の生活で虫に出会う機会は多くあります。この絵本の主役は「ナミハンミョウ」。この昆虫に出会ったことがありますか?この絵本で初めて出会う人も多いかもしれません。自然の機微に気がつくには、自然とたくさん時間を過ごすのが一番ですが、街場で暮らす人にはなかなか難しいことだったりします。本物に会いたいですよね。そういう虫や自然に対する憧れは、絵本を通して養うことができます。絵本の中で、ハンミョウに四つん這いで近づいていくシーンがあるんですが、寝そべって虫を見るこどもに出会ったことを思い出しました。僕も小さい頃は這いつくばって虫を探した記憶があります。

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かがくのとも『むしたちの おとの せかい』
高梨琢磨・ぶん / 土原和子・ぶん / 福井利佐・え
福音館書店 / 2019.7

虫と音をかがくする。

数週間前から、早朝から蝉が鳴き始めました。エゾハルゼミです。電子音や車の音などの飛び込んでくるような音と違い、意識をするとだんだんはっきり聞こえてきます。日本人は、鳴く虫を愛でる文化があるそうです。そして、西洋人よりも、虫の音を不快に感じないんですって。虫たちにとって、音の世界は命を守る、また、命を繋ぐために、重要な役割があるようです。観察してもなかなか気がつかないようなことが、専門書ではなくて、絵本を通して出会うことができるのは、「かがくのとも」のおかげです。かがくのともは50周年を迎えました。こどもの好奇心をとらえ続けているから、50年という歴史を乗り越えてこれたのでしょう。虫たちの音の世界は、僕の想像をはるかに超える世界が広がってました。福井利佐さんの精緻で独特な切り絵も目を引きつけます。本物の写真だったらちょっと気持ち悪いかも……。僕も、もう少し音を上手に使ってみようと思います。ブルブルブルッ。

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たくさんのふしぎ『ブラックホールって なんだろう?』
嶺重慎・文 / 倉部今日子・絵
福音館書店 / 2019.7

ブラックホールって吸い込むだけじゃなくて、吐き出してもいるって初めて知りました。たくさんのふしぎは、生きることをワクワクさせてくれます。銀河系の誕生まで遡るブラックホールの謎。この本の締めの一言「その正体を解き明かすのは、あなたかもしれません」(だそうですよ)。

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母の友 特集「子どもが科学にめざめるとき」
福音館書店 / 2019.7

子どもが科学にめざめるとき

庭しんぶんの6月号のテーマ「かがく」と限りなく近い特集テーマで、勝手にドキドキしながら読んでしまいました。宇宙飛行士毛利さんへのインタビューを読みながら、庭しんぶんでもいつか宇宙飛行士にインタビューしたいなぁなんて思ったりしながら……。母の友は、毎月、少しお上品な振りをしてますが、超豪華で、鋭いテーマをマイルドに見せかける少し過激な冊子だと、読んでいて毎回感じます。ぜひ手にとってください。

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